学校日記

今日の一言 1月26日 太鼓にまつわる思い出

公開日
2017/01/27
更新日
2017/01/27

校長雑感 一隅を照らす

「4分4拍子でタン タッタ タン タン タンと全員(テュッティ)が演奏するから、
その後すぐに同じリズムで続けて演奏して!」

高校生の時、恒例の夏の吹奏楽キャンプ。
キャンプを締めくくる講師の先生たちの模範演奏の時の話しです。

先生は、この日演奏する打楽器協奏曲のソリスト。合奏の方のティンパニー奏者がいないので、当時高校一年だった私が急遽駆り出されました。春からティンパニーを始めた5か月足らずの経験者でした。練習なしのぶっつけ本番です。

「パート譜がないから、言った通りにやって!このティンパ二をたたいて。」
と先生は、三つ並んで置いてあるティンパニーのうちのひとつを指さします。

ずいぶん乱暴な話なのですが、たったの1小節だから大丈夫と怖いもの知らずの私は「はい!」と元気よく答えました。

いよいよ本番です。

♪タン タッタ タン タン タン♪

良し!今だ!!
思いっ切りバチ(マレット)を振り下ろしました!

パーーーーーーンッ  ・ ・ ・??

聴いたこともないすごい音がしました。
初めて完璧にチューニングされたティンパニーを叩いた瞬間でした。

音の響きが光になって、天に向かってどこまでも伸びていくような、そんな音でした。
圧倒された私は、一発だけ叩いて、そのあと呆然とし、何もできなかったのです。

一小節の間、音がひとつだけ鳴っているだけでした。

***

5年生が練習しているオペラ「カルメン」前奏曲では、ティンパニーが使われます。
私がチューニング係を仰せつかりましたが、やはり難しい。

チューニングしながら、あの夏の日を思いだしました。