学校日記

今日の一言 1月31日 太鼓にまつわる思い出 その2

公開日
2017/01/31
更新日
2017/01/31

校長雑感 一隅を照らす

「みんな振り向かないで聴いてください。十人がこれから音を出します。一番いい音で演奏した者をこの曲では演奏させることにします。」

「さあ、始めてください!!」

後ろの右の方から音が聞こえました。
最初は、いい音なのかそうじゃないのか、よくかわかりません。
ところが、次の人・・そして次の人・・と十人程が演奏するとこれほどまでに違うのかと、とても驚きました。

・・・
これは、芸大時代の吹奏楽の授業の時の話しです。

十人の学生が演奏した楽器は「シンバル」でした。
指揮していたのは、元NHK交響楽団の打楽器奏者で、名手として知られていた有賀誠先生。

「君たちは、シンバルなんて誰がたたいても同じだと思っているでしょう。ところがシンバルと言うのはとても難しい楽器なんだ。今から十人にたたかせるから、みんな聞いてごらんなさい。」

と言って、始まった風変わりなオーディションでした。

有賀先生は、大変厳しい先生で物言いも厳しかったのですが、それ以上に、音に対する感受性の鋭い耳に学生みんな恐れていました。
この風変わりなオーディションでも上手く演奏できなかった女子学生が泣き出したことを思いだしました。

***

5年生のシンバル担当の子どもたちはとてもキラキラした音を出します。
有賀先生が聞いたらなんて言うだろう?