学校日記

今日の一言 2月28日 五月の歌 ゲーテ

公開日
2017/02/28
更新日
2017/02/28

校長雑感 一隅を照らす

なんと素晴らしい曲なんだろうか!聴きほれていました。
明日の「卒業お祝い集会」で5年生が6年生に歌います。
作詞は、かの有名な詩人のゲーテです。
作曲は、ベートーベン。

5年生は、少し元気が良すぎる歌い方をしていたので、Youtubeでいろいろな名歌手の演奏を聴いてみました。男性歌手ばかりです。何だか感極まったような様子で歌っています。

5年生が歌う楽譜には、「春のうた」と言う題名がついています。歌詞は「自然のすばらしさ。平和を希求する心。」という、とても健全な内容です。

オリジナルは、ずいぶん違いました。題名は「五月の歌(Mailied)」といいます。
この詩は、恋の歌として、たいへん有名なものでした。

ドイツの冬は長く、何もかも息をひそめているような重苦しさがあります。
そして4月ごろまでさほど暖かくなりません。

ところが5月になると突然、太陽の輝きが変わり、
木々も一斉に芽をふきはじめ、あれよあれよという間に世界中が生き返ります。
その新緑のあおさには目がくらむほどです。
人も同じです。命を取り戻したような高揚感は、人(芸術家)を恋に向かわせるのです。

ゲーテは恋多き詩人でした。若きゲーテがストラスブールで書いた詩だったのです。

・・・
さて、明日5年生はどんなふうにこの歌を歌うのでしょうか。
楽しみです。

***

『 五月の歌 (なんと目ざめるばかりに) 』

なんと目ざめるばかりに
自然の照りはえていることよ!
なんと太陽の輝いていることよ!
なんと野原のはなやぎ笑っていることよ!

枝という枝から
花がきそって咲き出でる。
茂みの中からは
数知れぬ歌ごえが。

胸という胸からは
よろこびがわき溢れる。
おお大地よ、おお太陽よ!
おお幸福よ、おお楽しさよ!

おお愛よ、おお愛よ!
あの山にかかっている
朝の雲のように、
黄金(こがね)なすその美しさよ!

お前ははなやかに祝福する
さわやかな野や畑を、
かぐわしい花がすみに
包まれた天地を。

おおおとめよ、おとめよ、
どんなに私はお前を愛してることだろう!
どんなにお前の目の輝いてることだろう!
どんなにお前は私を愛してることだろう!

歌と空とを愛する
ひばりのこころにも似て、
空のかおりを愛する
朝の花のこころにも似て、


私はお前を愛する、
あつい血をたぎらせて。
お前は私に青春と
喜びとはずむ心を与えてくれる。

新しい歌と踊りに
私のこころははずむ。
いつまでも幸福であれ、
お前が私を愛する限り!

(著者 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)
(訳者 高橋健二)