学校日記

今日の一言 4月24日 成長し続けること、それが幸せ。

公開日
2017/04/24
更新日
2017/04/24

校長雑感 一隅を照らす

4月13日のことでした。

「英語しか話せない外国人が通用門にいます。お話してくださいませんか?」
と、教頭先生は困惑の表情です。

「対応しましょう」
そう言って通用門に行ってみると、彼の出で立ちはいわゆるバックパッカー。
少し怪しそうですが、ニコニコしています。

彼の差し出した名刺には、【UNIVERSIDAD DE GRANADA】とあります。
グラナダ大学の教育学部の教授だそうです。
(本当かどうか、すぐにインターネットで調べたのですが、まちがいありませんでした。)

スペイン語なまりの英語なのでしょう。英語が母国語ではない私は分かりやすい英語で話しかけてきます。

欧州人らしい押しの強さで「今忙しい」と言っても「少しだけ」と言いながら、「なるほど、納得した!!じゃあ、帰るね」と言って帰ってくれたのは、それから話すこと小一時間後。(私の押しの弱さは、ドイツに27年いても変わりませんでした。)

・・・

話しが長くなり始めたのは、学級編成についての質問からでした。

「1クラスの児童数は?」

  −40人程−

「えっ!何だって。有り得ない。どうやって教えるんだ」

 −運動場を見てごらん。これが1クラスだよ。問題ないでしょ−

「どうやったらこんなことができるんだ!?」

 −躾・知識・自制心・・・これらを大切にした教育をしているから−

「子どものときから、そんなことばかり教えられたら、自由な精神は育たないじゃないか!そんな教育で幸せになれるのか?」

 −幸せって何?−

「平和?経済的な安定?」

 −それはどこの国のことかな。
  日本は次のステージに行っていると思うよ。
  幸せって、「成長し続けることができる」っていう気持ちを
  持っていることじゃないかな。
  「わたしはまだ成長できる」ということ。−

 −そのために、知識が必要だし、学ぶための心がけ(躾)も大切だし
  学び続けるための自制心も必要−

 −そして学ぶことの大切さを知り、自分が成長する喜びを知る−

 −成長することが幸せ!!−

矢継ぎ早に議論を吹っかけてきた彼はふと押し黙ると・・

「なるほど、納得した!!じゃあ、帰るね」

と言って、やっと校長室を出て行ってくれました。

彼は、国に帰って論文に今日の話しを書くそうです。その時は草稿を送るからチェックしてくれと言っていました。さて、本当に書いてくれるのでしょうか?

もっと心配なのは、私が拙い英語で話した内容が本当に伝わっているか?です。