学校日記

今日の一言 6月15日 手拍子でわかる

公開日
2017/06/15
更新日
2017/06/15

校長雑感 一隅を照らす

その昔「スター誕生」というタレントさんをスカウトするテレビ番組がありました。

ヒット曲をたくさん書いている作曲家や作詞家が審査員になって、15,6歳から20歳ぐらいの若い人たちが、いわゆる「スター」になることを夢見て挑戦する「公開オーディション」です。

・・・

次から次へと登場するスターの卵たち。
当時、子どもだった私は、どの人もとても上手に聞こえました。
どうやって才能の違いを見つけるのか、不思議な気持ちで見ていました。

「君! 手拍子をしてみてくれますか?」
「今歌った曲をバンドに演奏してもらうから、それに合わせて」

審査員に言われて、その女の子は手拍子をしました。
おそらく簡単な拍子の曲だったと思います。
にもかかわらず、何だかぎごちなく見ました。

すると
「ね! 分かるかな? 音楽をやるのに君には致命傷がある。
 それは、君のリズム感の悪さです。」

そう言い放つ審査員の言葉に、かたまってしまう彼女。
大昔のことなので覚えていないのですが、
今にも泣きそうな表情をしていたに違いありません。

なぜなら、あの場面を思いだすと、そのシーンがショックで、
今でも、私が泣いてしまいそうになるからです。

・・・

毎週月曜日の全校朝礼。朝礼が終わり、子どもたちが体育館から教室へ向かうとき、
「さんぽ」という2拍子の曲が流れます。子どもたちは、曲に合せて、
みんなで手拍子をします。
その手拍子の中、低学年から退場していきます。

その時に、子どもたちの手拍子の様子を見てみると、どの子がリズム感がいいか、少し不得意なのか、一見してわかります。

少し言ってあげるだけでリズムよく手拍子ができるようになるな、と思いながら、
「スター誕生」の、あの女の子を思いだしてしまいます。

手拍子教えてあげられるのに・・・・