今週の校長講話
- 公開日
- 2016/12/05
- 更新日
- 2016/12/05
学校の様子
今日は、短いお話を読みます。
一ぽんばしがありました。うさぎがわたっていくと、むこうからおおかみがわたってきました。
「こらこら、もどれ、もどれ。おれがさきにわたるんだ。」
おおかみがこわいかおで、どなりました。うさぎはびっくりして、すごすごとあとへもどっていきました。
「えへん、えへん。」
おおかみは、このいじわるがとてもおもしろくなりました。
それからは、きつねがきても
「こらこら、もどれ、もどれ。」
たぬきがきても、
「こらこら、もどれ、もどれ。」とおいかえしてしまいました。
あるひ、おおきなくまが、はしをわたってきました。おおかみはあわてていいました。
「わたしがもどります。」
くまはてをふっていいました。
「ほら、こうすればいいのさ。」
くまはおおかみをだきあげると、うしろにそっとおろしてやりました。
おおかみはくまのうしろすがたをいつまでもみおくっていました。
つぎのひ、おおかみは、はしのうえでうさぎにあいました。うさぎはあわててもどろうとします。おおかみはやさしくよびとめました。
おおかみはうさぎをだきあげ、うしろにそっとおろしてやりました。おおかみはなぜかまえよりずっといいきもちでした。
どうですか。みなさんはどんな感想を持ちましたか。
オオカミは自分より小さい生き物、うさぎやきつね、たぬきにはえらそうな態度で好い気持ちになっていましたね。外観だけで判断して自分より弱そうな相手にはいじわるをしました。だから、自分より大きなくまに出会うとあわてておじきをして今度は自分から道を譲ろうとしましたね。
でも、くまにやさしくされてちょっと変わりました。
人のために何かすると好い気持ちになるということをオオカミは学びました。
12月4日から10日まで人権週間です。人権週間は差別を考える週間です。差別とは、その人の努力だけでは直せないことでその人の価値を決めつけたり、えこひいきしたりすることです。
オオカミはいいことに気づきました。みなさんもしっかり学んで相手を思いやる心を育ててほしいです。