まさにピンチはチャンス!
- 公開日
- 2019/08/15
- 更新日
- 2019/08/15
学校日記
令和元年8月15日(木)ホリデーコラム55
「前祝いの法則(ひすいこたろう・大嶋啓介著 フォレスト出版)」より、
ありとあらゆる悩み、トラブル、問題がなんのために存在するのか知っておくことが大切です。「問題は、あなたがもっと飛躍するために存在しています。」
そのことを、経営の神様と言われ、生涯に500億円の資産を生み出した、松下幸之助さんのエピソードで説明させてもらいます。
昭和36年、松下幸之助率いる松下通信工業(現在のパナソニック)の幹部全員が集まり会議が開かれていました。トヨタから大幅な値引き要求があったのです。松下が納めていたカーラジオを20%コストダウンしろと、松下の幹部たちは困り果て、静まり返る会議室に、あの男があらわれます。松下幸之助の登場です。幸之助の第一声はこうです。
「どうして、トヨタはこういう要求をしてきたんや?」
トヨタのこの要求の裏には貿易の自由化問題がありました。GMやフォードといった大メーカーとの競争が本格化し、このままでは日本の自動車産業そのものが滅んでしまう、という危機感がトヨタにはあったのです。
「松下がトヨタさんの立場だったらどう考えるかや。やはり、同じ要求をしていたかもしれん。トヨタさんは、どうすればコストダウンを達成して、日本の自動車産業を発展させていくことができるかという危機感でいっぱいやろう。いわば業界全体、さらには国のためを考えてるんや。松下1社の話とは違うんや。ここはできません、と断ってはいかんと思う。なんとしてでも、値を下げなければならん」
問題をマイナスとして捉えるのではなく、その背後のプラス(希望・チャンス)を見ようとするのです。
幸之助は続けました。
「これは単に値引き要求を受けたというだけのことではないんや。日本の産業を発展させるための公の声だと受け止めなければならんのやないか?もし20%の値引きに耐えられる製品ができたら、どうや?トヨタさんだけやなく世界で通用する製品になるんやないか?」
幸之助は、この問題を乗り越えることで、どんな最高の未来が待っているか、想像させたんです。最高の未来の先取り。これぞ予祝です。(中略)結果、コストダウン20%達成!まさに、この瞬間、松下がカーラジオのトップメーカーへ躍り出た瞬間です。
さて、聞きましょう。トヨタからの無茶な要求はなんのチャンスでしたか?松下がトップメーカーになるチャンスだったのです。あらゆるピンチはチャンスに化けるんです。
問題は起きたことが問題ではなく、問題をどう考えるかがほんとうの問題なのです。
問題の先に、チャンスを見いだす。それこそ喜びの先取り、予祝です。
道を阻むすべての「壁」は、ワクワクした瞬間に、あなたを新しい時空へ導く「扉」となるのです。
「壁は乗り越えるものやぶっ壊すもの」と思っていました。でも、違うんですね。問題をプラスに捉えることで、「壁は扉に変わる」んですね。「ピンチはチャンス」という言葉の意味を、また改めて実感するお話でした。