4・5・6年出前授業「地球環境と私たち」
- 公開日
- 2022/01/20
- 更新日
- 2022/01/20
学校日記
本日、今年度のPTA五校人権講演会で講師をしてくださった株式会社サラヤ研究調査員中西亘夫さんをお招きし、4・5・6年の児童を対象に「地球環境とわたしたち」という演題でお話を伺いました。
サラヤさんは、本社が東住吉区にあり、家庭科室で使うヤシノミ洗剤や、PTAで購入していただき子ども達の机上に常置され、使用が習慣化された消毒液など、生活の中で身近な会社です。
かつて1970年代、合成洗剤などにより汚染されていた川や海も、自然由来のアブラヤシから取るパーム油の使用により、ほぼ元の姿を取り戻すことができました。その原材料は、はるか南のボルネオ島のプランテーションで栽培されています。自然豊かな熱帯雨林は生物の宝庫で、たくさんの種類の動植物がいます。ところが、その熱帯雨林を切り開いてアブラヤシ畑が開発されていったことにより、ボルネオ島に住んでいる動植物の生息地が脅かされる事態となってしまっていました。
2004年に放映されたテレビ番組「素敵な宇宙船地球号」で、「地球にやさしいの落とし穴 ボルネオ島小ぞうの涙」をみたサラヤさんは、環境のためにいいと思っていたパーム油を使用することが、象を傷つけていた事実にショックを受け、どうすればいいか考え取り組みをはじめられました。
その番組を子ども達も視聴させてもらいました。熱帯雨林を切りひらいてアブラヤシ畑を救ったことで、ボルネオ象などの野生動物が畑に侵入します。それを防ぐための罠に小象がかかり、鼻や足を傷つけ、命にかかわるけがを負っています。どうにかして助けてあげたいけれど、なかなかうまくいきません。
カップ麺、アイスクリームなどの食料品、化粧品などの生活雑貨等、毎日の生活の中で欠かせなくなっているパーム油。自然豊かな熱帯雨林は、様々な動植物がいて成り立っています。その熱帯雨林を守ることは地球を守ることに繋がります。パーム油の世界の需要増に伴い、ボルネオ島で急速にパーム油の原料アブラヤシ畑が拡大しています。現地で生息している野生動物の棲み処を守りつつ、パーム油の調達も持続する。
サラヤさんが取り組んだことは、バラバラになって小さくなってしまった森をつないで回廊にしていきました。資金は、製品の売り上げからの寄付です。また、オランウータンのつり橋プロジェクトには、東住吉消防署でのホースを再利用。たくさんの会社が協賛し、NPOも立ち上げられました。
今日の講演で、まず事実を知り、人間が自然と共存する方法、自分たちにできることは何かを考えるきっかけとしてほしい、と中西さんからのメッセージでした。子ども達にとって、未来につながる大事な事案です。一人一人がしっかりと考えていきたいですね。