「コツコツに勝るコツはなし」
- 公開日
- 2021/09/17
- 更新日
- 2021/09/17
学校行事・できごと
私は28年間中学校で数学を教えていましたので、関心のあった「秋山仁(あきやまじん)」先生という有名な数学者がされたお話をご紹介します。
現在、東京理科大学の特任副学長をされていて、以前はテレビにもよく出ておられたので、知っている人もいるでしょう。。著名な数学者だけあって、いろいろな楽しい数学のお話をされていました。一例を挙げると、道路にあるマンホールのふたはなぜ丸いのか。そう、答えは穴の中に落ちないようにするためです。しかし、他にも「ルーローの三角形」という落ちない形がありますよ、というようなお話をいくつもしてくださいました。
ところで、こんななお話をしてくださいました。ご自身が、北海道の開拓に大きな成果を残したクラーク博士をとても尊敬している、という内容です。彼は当時、アメリカのマサチューセッツ農科大学の学長で、日本の明治政府の要請を受けて札幌農学校に赴任しました。現在は有名な観光地となっている札幌の「時計台」は、当時は札幌農学校の道場でした。この札幌農学校はその後発展して現在の北海道大学になります。
クラーク博士が日本にいたのはわずか8か月でしたが、情熱的に若者を育てられました。寒い北海道では作物が育ちにくいが、希望を持って努力を続ければ必ずものになる、と教育をされました。今ではジャガイモやトウモロコシ、酪農といった寒い地域でも可能な農業が普及していて、全国的に欠かすことのできない大生産地となっていますね。
そしていよいよマサチューセッツに帰ることになり、見送りに来た学生たちに、あの有名な「ボーイズ・ビー・アンビシャス(少年よ、大志を抱け)」という言葉を残されたわけです。
秋山先生ご自身、「小中学生の時は算数・数学は得意ではなかったけれども、高校の時に数学の先生に励まされて、コツコツ勉強しているうちにできるようになり、結果的には数学者になった。ただし、フェルマーの定理やリーマン予想を解けるような天才ではなく、訓練によって人とはちょっと違った物の見方ができるようになった。」と語っておられました。
誰でも、コツコツ努力していれば、それなりの成果が必ず出せる、ということでしょう。皆さんの中にも、西成区や大阪そして全国級の目標を持っておられる方がいるかもしれません。いずれにしても、目標を持って頑張っている人の姿はとても美しいものです。ぜひ、自分なりの目標を設定してみてください。「コツコツに勝るコツは無し」です。