学校日記

「武道の精神」から学ぶ。

公開日
2024/02/09
更新日
2024/02/09

学校行事・できごと

最近のスポーツを見ていると、どの選手も勝てば相手に向かってガッツポーズをする光景をよく目にします。人間誰しもうれしいことがあれば表情や仕草で喜びを表したくなるのは自然かもしれません。
過去に日本で、プレミア12という野球の世界大会がありました。外国の選手がセンターを超えるヒット、誰しもが2ベースと思った瞬間、センターに守っていた選手がクッションボールを利用して、矢のような送球で2塁上でアウトでした。当然、日本のファンは大喜び、その選手もガッツポーズ。しかしアウトになった外国の選手は最初悔しそうな顔をしましたが、すぐにセンターに守っていた日本の選手に拍手をしていました。
また日本でラグビーのワールドカップが開催されたことがありました。日本は検討して、ベスト8に入りました。しかし日本の活躍だけが注目されたわけではありませんでした。試合後のノーサイドの精神です。試合が終わった後は、敵も味方もなくお互いをたたえ合う。これが人々の心を打ち、あれだけの盛り上がりになったのです。
相撲の世界でもありました。最近は外国人力士が増え、日本人力士が優勝する場所が少なくなりましたが、貴景勝という力士が優勝した時、若干21歳の若さということだけで脚光を浴びたのではなく、親方から教えられてきた、勝ってもその喜びを表面に表さない姿勢が脚光をあびたのです。
相撲でも柔道でも、本来は相手の人格を尊重して心豊かな人間を育成するために礼節を重んじてきました。自分自身を鍛錬するためのものが、今や競技スポーツとなって性格が変わってきたのではないでしょうか。精一杯戦って敗れた相手への無礼を許さない「武道の精神」を、今一度見つめ直すことが必要ではないかと思います。