道徳 「語りかける目」 阪神淡路大震災
- 公開日
- 2021/01/28
- 更新日
- 2021/01/28
道徳教育(自己を見つめ、生き方を考える)
1月28日(木)、
今日は、1年生道徳の授業を紹介します。
阪神淡路大震災から26年。
その日の早朝の揺れ、自宅の被害。それ以上にテレビで見た壊滅的な被害を報じるニュース映像。燃える神戸の街を今でも忘れることはありません。
この教材を読むと複雑な気持ちになります。教材名は「語りかける目」。実話です。
「語りかける目」は、震災後の1月23日に2回目の出勤をした警察官の手記です。彼の任務は長田署管内の遺体捜索・体育館の遺体管理と検視業務補助でした。彼は、そこで出会った1人の焼けこげた「ナベ」にじっと見入っている少女の姿に目を惹き付けられます。
彼はその少女に近寄り「どうしたの」と声をかけました。そのひと言で、少女の目は涙であふれてきます。「ナベ」の中には少女が焼け跡で拾い集めた母の遺骨が入っているのでした。そして少女は語り始めます。
——— 地震の朝、少女は母親と一階の居間で眠っていました。気づいたときは母とともに崩れた家の下敷きになっていました。少女はすこしずつ体をずらし何時間後にか脱出することができましたが、母親は瓦礫に埋もれたままです。やっと探し出したのは、母親の腕でした。少女はその手を握り「おかあさん、おかあさん」と叫びます。そのとき、付近の出火で、火が近くまでせまっていました。ようやく母親が少女の名を呼ぶ声が聞こえましたが、「ありがとう、もう逃げなさい」そう言って母親は握っていた手を放します。少女はその場を逃げ、我が家が、そしてそこにいる母が火に包まれていくのを呆然と眺めていました。
少女は焼け跡に母を捜しました。そして見つけます。その見つけ出した母を「ナベ」に入れ、守り続けていたのでした。
私たちが多くを語らずとも、この話は生徒たちにさまざまなことを考えさせてくれます。命の大切さ、母の愛、少女の決意・・・26年前に何があって、被災した人たちはどのように生きてきたのかを生徒達にしっかりと考えてほしいと思います。
震災の後に生まれてきた子ども達であるからこそ、多くの「学び」につながってほしいと思います。