「3つのお弁当」
- 公開日
- 2017/02/15
- 更新日
- 2017/02/15
生徒自主活動
2月13日の生徒朝礼では、「感動」について校長先生からお話がありました。
日本では、「泣く」ということを少し恥ずかしいという受け止め方がありますが、泣くことはそれほど悪いことではないのです。泣くということで、心がすっきりするということもありますし、心が落ち着く効果もあります。泣くときには、涙が出ます。この涙にもいろんな涙がありますが、やはり感動で涙したいものです。スポーツ選手やミュージッシャンなど、多くの人の涙を流さそう、大きな感動をつくることのできることも良いのですが、わずか一人だけでもいい、自分のことを思って涙を流してくれるような小さな感動も良いものです。
ある学校では、年に一度「自分でお弁当を作る日」というのがありました。ルールは簡単で、「絶対に誰にも手伝ってもらってはいけない」というものだけです。ある生徒が、その日は自分と家族のために「3つのお弁当」をつくろうと計画しました。一つは、単身赴任ですが、大阪に戻って来ているお父さんに、一つは入院しているおばあちゃんに、そして自分用です。
朝5時に起きて、がんばって3つのお弁当をつくったそうです。その一つ、お父さんは、職場に戻る新幹線の中で、子どものつくったお弁当の包みを開けたのですが、感動の涙で食べられなかったそうです。そのまま包み直して、職場で周りの人に少し自慢して食べたそうです。おばあちゃんは、「私は、今までたくさん弁当を作ったけど、大人になってから、作ってもらったことはない。初めてつくってもらったのが、孫の手作りお弁当やなんて!」と大変感動され、ベットの上で正座して手を合わせて、お弁当を前に涙したそうです。それらの話を聞いたお母さんがまず涙し、学校から戻った子どもにその話をすると、その子も泣きました。さらにはその話を学校の先生も知ると、感動で涙を流したそうです。
たったお弁当を3つつくったという話ですが、感動の輪をどんどん大きく広げていき、たくさんの涙をさそいました。ぜひ皆さんも、自分できることから、小さな感動をつくってみませんか?