今日の全校集会 校長より
- 公開日
- 2015/10/13
- 更新日
- 2015/10/13
コラム
体育大会のときに言った、「体育大会のために頑張ってきたことはない。君たちが普段の学校生活で学習してきたことを出せばいいのであって、体育大会だけ盛り上がるようなことは必要ない。」ということばをもう少し説明したいと思います。
学校は生徒の皆さんの人間的成長のためにあります。それを妨げるものは排除し、それに役立つことは積極的に取り組んでいます。取り組んでいることが皆さんに役立っているのか、それを確かめるのが体育大会・文化祭・産業交流会との交流・大阪体験学習・修学旅行などの学校行事です。
皆さんは教科で学習したことを、どれだけ理解しているかを確かめるためにテストを受けます。先生はそのテストを作るときに、「これぐらいはとってくれるだろう」と予想をして問題を作ります。テストが返ってきたときに、その結果に皆さんは一喜一憂しますが、実は先生もそれと同じ思いをしています。なぜなら自分の今までの授業の結果だからです。自分の授業でどれだけのことができているのか、結果をもとに工夫をしていかなければなりません。
同じように、学活や人権学習・平和学習・障碍者問題学習など国語や数学のような教科以外に、皆さんが人として成長するうえで重要な学習もしています。そこで学習した内容が皆さんに理解されているのか、学校行事はそれを確かめる定期テストになります。先生はその結果をみて、これまでの学習の取り組みを見直さなければなりません。
たとえば体育大会の「行進」。リーダーは全体のリズムを揃えるために、後ろまで聞こえる声を出さなければなりません。一歩の歩幅は一番背の低い人が少し無理をすればできる歩幅にしなければなりません。背の高い人はいつよりも少し歩幅を縮め、背の低い人は少し大きくする。スピードは車いすでついてこられるスピードです。「行進」は一人一人が自分以外の人に気を使わなければ美しいものにはならないのです。
行進は毎年よくなっています。最初は観客に手を振り、勝手に歩いている人がいました。それが列がそろい。みんなでやろうという気持ちが伝わってくる行進になりました。自分以外の人へ注意を向けている行進でした。では来年は、今年できた縦の列の美しさに加え、他のクラスとも息を合わせた、横の列の美しさを加えて、縦・横ともに美しい行進を目指してほしい。気を使う自分以外の人をもう一人増やしてほしい。それを進歩と言います。
文化祭で行われる合唱も同じです。「自分一人がうたわなくても、わからんやろ」と自分のことにを中心にした時に、あの体育大会の行進は「うそ」になってしまいます。運動の得意な人と、運動の不得意な人が共に努力して、一緒に楽しむのが素晴らしいい体育大会ならば、音楽の得意な人と、不得意な人が共に努力して楽しむのが合唱です。体育大会も文化祭も・修学旅行も試されているのは同じなのです。
どんなことにも、得意な人がいて、不得意な人がいます。それを分けるのではなく、欠けることなく、一緒になって1つのことを成し遂げて、一緒に楽しむことが私たちの目標です。