たったひとつ
こっそりと葉にかくれるように
たったひとつのレモンができました。 『そんなにもあなたはレモンを待っていた かなしく白くあかるい死の床で わたしの手からとった一つのレモンを あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ トパアズいろの香気が立つ その数滴の天のものなるレモンの汁は ぱっとあなたの意識を正常にした ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ 』 高村光太郎「レモン哀歌」(智恵子抄より) ちなみに 10月5日は「レモンの日」、智恵子の命日にちなんだのもだそうです。 |