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「今日、学校、どうやった?」

 この言葉は私の母が小学校から帰ってきた私にいつも言っていた言葉です。私が「別に・・・。」なんて答えても、母はへこたれることはありませんでした。「どんな漢字習ったん?」「給食、何やったん?」「何して遊んだん?」
 たまに友だちとけんかしたことを伝えたりすると母は「そうか。悔しかったんやね。」「そうなんや。腹が立ったんや。」と必ず共感してくれました。最初から「○○しなさい」とか「○○したほうがいい」というようなことは決して言いませんでした。そのことで私は気持ちが落ち着き、大きな安心感に包まれました。
 母は最後まで私の話を聞いた後、アドバイスや意見を私に伝えました。人間は大きな安心感に包まれると素直にアドバイスや意見を受け入れやすくなるものです。そして、母は最後に必ず「お母ちゃんは信ちゃんのことを信じているからね。」という殺し文句を言いました。
 学校の宿題を済ませると、いつも母からの宿題がありました。それはチラシの裏に手書きされた10問程度の計算問題や漢字問題でした。それを仕上げてからでないと遊びに行けないというのが母との約束になっていました。今、考えるとその問題はその時に学習している単元に合致していました。母はきっと私が眠った後(小学生の間は午後9時就寝でした)、ランドセルからノートや教科書を引っ張り出して、学校で今どのような学習をしているのかを把握していたのだと思います。
 その頃は面倒くさいなぁと思っていましたが、自分自身が親になって、私は本当に大切にされていたんだということが良くわかりました。
 お子さんもその頃の私と同じで保護者の皆さんのお子さんへの深い愛情をなかなか実感できていないのではないでしょうか。保護者の皆さんは本当に歯がゆい思いをされているとは思います。でも、お子さんへの愛情は決して見返りを求めないものですよね。
 「今日、学校、どうやった?」お子さんに声をかけてあげてください。そして、お子さんの話を共感する気持ちで聞いていただければと思います。そうすれば、いつかきっと、お子さんは皆さんの深い愛情を知り、心から感謝するようになると思います。
               大阪市立金塚小学校長 山本信吾
 
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