心豊かでたくましく、自ら考え行動する子どもを育ててまいります

校長メモ 4月26日(月) 「わたしたち」の信頼関係を大切に

 三度目の緊急事態宣言が、昨日、発出されました。
 すでに医療崩壊が起こっており、医療従事者の方々が大変な思いをしながら治療にあたっておられる報道を目にし、心から感謝するばかりです。
 病床が足りず、治療が間に合わず、普段なら亡くなるはずのない命が失われていく、こんなことはあってはならないことです。しかし、すこし冷静に考えてみると、世界には、病院も薬も満足にない国や地域が少なからずあります。日本のような豊かな国では、医療崩壊はとんでもない非常事態ですが、そこではそれが日常なのです。私たちは、そのような海外の状況を知ってかわいそうだと募金をしたりしますが、やはり他人事なのです。自分のことなら我慢できないことでも、他人事なら普段は忘れてしまっています。
 先日、自宅近くの神社に立ち寄った時のことです。合格祈願、家内安全の絵馬に交じって目に飛び込んできた絵馬がありました。小学校低学年以下の子どもでしょうか、たどたどしい文字で「ちきゅうのみんながやさしくなりますように」と書かれていました。なんて素敵な言葉でしょう。
 コロナウイルスに感染した人への差別や排除が起こっています。どんなに感染拡大防止策を施しても、誰にも感染するリスクがあります。自分ではない、知らない誰かが感染したと、他人事として捉えるのではなく、「わたし」「わたしたち」のことと捉えることができれば、「大丈夫、早く良くなってね」といたわりの声をかけることができるのではないでしょうか。
 「わたし」ではなく「わたしたち」を主語にしてお互いに自分事として考え行動できたら、コロナ禍が続こうとも、安心して生活ができるのではないでしょうか。感染しないようにすること以上に、信頼関係を確かなものにすることが大切だと感じています。

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校長メモ 4月22日(木) 子どもの安全と学びを守るために

 今、大阪の感染拡大は大変厳しい状況にあり、来週初めには、緊急事態宣言が発出される見通しです。その際の大阪市立中学校の対応について、報道されているところによると、市長は子どもの感染リスクを最小限にすることを考え、学校に登校せずに済むオンライン授業を提案されたのだと思います。しかし、オンライン授業がすぐにできる状況にないことがわかり、プリント学習も取り入れながらオンライン授業の準備をしていくことに方針が転換されました。さらに、保護者からの給食実施の要望をかなえつつも感染リスクを小さくするため3時間目から給食終了までの登校という措置になったようです。そして、登校するまでの時間と帰宅後の午後は、プリント学習やICTを活用した学習を行うこととし、家庭での監護が難しい子どもは、学校で見守ることになっています。
 このような方策が、本当に子どもたちや保護者の方の思いに寄り添った対応なのか、本当に子どもの「安全の確保」や「学びの保障」につながるのか、じっくりと考える必要があるのではないでしょうか。
 登校がバラバラになることで、交通安全や不審者に対するリスクが高まることも考えられます。家に一人でいる時間も増え、遊びにも行けず、生活が乱れたり、ストレスが高まったりする危険もあります。
 そもそも子どもを感染から守るということでオンライン授業という対応が考えられたと思うのですが、子どもたちは、登校しなければ感染のリスクが下がるのでしょうか。子どもたちは、ほぼ家庭と学校を往復するだけです。繁華街にも居酒屋にもいきません。毎日同じ仲間と過ごし、不特定多数の人と交わることはほぼありません。感染のリスクがあるとしたら、家族や教職員との接触ではないでしょうか。
 私も電車通勤ですが、昨年4月の初めての緊急事態宣言時とは違い、車内が込み合っているため不安を感じることがあります。医療機関に勤める保護者の方から子どもを学校に行かせるのが心配だというご相談がありました。それは、学校で感染することを心配しておられるのではなく、自分が感染リスクの高い仕事をしているので、もし気づかずわが子が学校で感染を広めてしまうことになったらどうしようと心配されているのです。そのようなご心配をいただいていることに胸が痛みました。
 子どもが一次感染源であれば、子どもを登校させないことで感染拡大は抑えることができるでしょうが、そうとは思えません。子どもに登校を控えさせても、大人の感染者数が減らない限り、子どもはいつまでも登校できない状況が続くだけです。
 教職員もコロナウイルスのことはわかりませんので、様々な不安を抱えながらも、学校では、子どもたちが不安を感じないよう、できる限りの手洗い、マスク、消毒、換気など基本的な感染症対策に地道に取り組んでいます。そして、子どもたちが笑顔で安心して学校生活を送ることができることを願って、日々の当たり前の学習や活動を丁寧に行うことを心がけています。感染リスクをゼロにはできませんが、いろいろなことを総合的に考えたとき、学校は子どもにとって安全・安心な場所だと思うのです。
                     校長 久保 敬

校長メモ 4月21日(水)  「学び」の保障

 4月19日、緊急事態宣言が出されたら、原則オンライン授業に切り替えるとの大阪市長の発言をテレビニュースで知りました。
 本校では、2月13日に保護者の皆様のご協力を頂き、オンライン土曜授業を実施しました。デジタル教科書での音読や動画配信など手探りでいろいろと試してみました。つながらないなどの不具合も発生し、学校側の機材や通信環境の問題から授業と言えるような質の高いオンライン授業を行うことはかなり難しいと実感しました。また、子どもたちの経験の差も大きく、4〜6年は慣れれば一人でも機械の操作はできると思われますが、3年生以下では、保護者の方のサポート無しには、厳しいと感じました。大学生でもオンラインで長時間の講座を受けることはしんどいとの声があがっているように、小学生ではさらに大きなストレスにつながることも懸念されます。このように、まだまだオンライン授業には解決すべき課題がたくさんあると思います。
 また、通信環境の問題もあります。昨年度のオンライン土曜授業に向けての準備段階では、多くの端末を一度に動かすことは難しく、学校での操作練習がなかなか進みませんでした。現在ではかなり改善されたとは聞きましたが、未知数の状態です。
 昨日、保護者の方から頂いたデジタル版新聞の記事に「対面授業とオンライン授業といずれかを選べる形が望ましいと思う。ただ、機材の数や教員のスキルは学校によって異なる。丸投げしたら、学校間で格差ができる。活用をただ呼びかけるのでなく、ICT(情報通信技術)専門の教員を置くなど具体的な対応をしてほしい」というご意見が載っていました。小学校では、学級担任制なので、登校した子どもの授業とオンライン授業を、一人の担任が同時に行うことは難しいです。現在の学校のICT機器の環境では授業の様子をそのまま配信することはできますが、それでは学びの保障にはならないと考えられます。教科書会社などが学習コンテンツを開発し、配信すれば質の高いオンライン授業ができることでしょう。しかし、本当にそれが小学生の子どもの成長にとって大切なことか、疑問です。人間としての成長は、算数の力、国語の力、社会の力などの教科学習の力の足し算ではありません。
「主体的・対話的で深い学び」の大切さを文部科学省は言っています。それは、日常の生活における人と人との関わり合いを通して培われるものではないかと思います。学校が「学びの場」としてリアルに存在していることの意味は大きいと感じます。

 昨日より、一人一台端末の新年度への移行作業を子どもたちと行い、自宅に持ち帰ることができる準備を進めています。新2年生は、本年度はじめてクロムブックを使いうため、操作に慣れるにはもう少し時間がかかりそうです。新1年生は、旧のタブレット端末を使いますが、初期設定を今行っているため、実際に操作練習をするのは明日以降になります。

 今、大阪の感染拡大は大変厳しい状況にあります。誰しも感染するリスクがあります。学校では、子どもたちが不安を感じないことを願って、手洗い、マスク、消毒、換気など基本的な感染症対策を地道に行うことしかできません。そして、子どもたちが笑顔で安心して学校生活を送ることができるよう、日々の学習や活動を丁寧に行うことだと考えています。
              校長 久保 敬
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校長メモ 4月12日(月)  心は自由に飛び回ろう!

 いよいよ新年度が本格的に始まりました。クラス替えはないものの、新たな環境に、子どもたちも緊張感をもって臨み、意気込みを見せています。
 しかし、子どもたちの前向きな姿勢に反して、「まん延防止等重点措置」の発令と共に再び「レッドステージ」へと移行しました。前回の「レッドステージ」及び「緊急事態宣言」発出時と同様に、参観・懇談、家庭訪問などができなくなりました。また、体育、音楽、家庭科などの学習において、感染リスクが高いとされる活動が制限されます。
 コロナ禍の今、なにかと活動は不自由ですが、想像力たくましく楽しいことを考えることはできます。身体は縛られても、心は自由です。動き回れない分、思いや考えを自由に巡らせてほしいと思います。できないことを嘆くよりも、どんな些細なことでも面白いことを見つけて、夢や希望を膨らませてくれたらうれしいです。
 コロナ禍でもドキドキわくわくできる学校であるよう努めていきます。
                   校長 久保 敬

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