本日の献立/9月21日(木)・鮭のから揚げ ・さつまいもの甘煮 ・ブロッコリーのごまあえ ・ごはん、牛乳 栄養価 エネルギー 823kcal、たんぱく質 34.4g、脂質 20.1g ☆さつまいも☆ サツマイモは、「甘藷(かんしょ)」とも呼ばれるイモ類です。中央アメリカが原産で、紀元前から栽培されていました。コロンブスのアメリカ大陸到着(1492年)の後、17世紀までにヨーロッパ各地に伝わりましたが、好温性の作物であるため、ヨーロッパの気候にはあまりなじまず、冷涼地を好むジャガイモほど普及しませんでした。アジア諸国へは、16世紀初めにスペインの旅行者によって伝えられ、日本へは17世紀初期に中国から沖縄へ伝わりました。そして1705年に薩摩の漁師が鉢植えのサツマイモを持ち帰り、種芋を増殖し、享保・天明の飢饉を薩摩藩において救ったといわれています。その後18世紀前半に蘭学者/青木昆陽が救荒作物として全国に普及させ、主として関西以西で栽培が増加しました。そして、食糧難となった第二次世界大戦中から大戦後に急速に伸び、食糧不足から多くの国民を救うために役立ちました。 主成分は、でんぷんで、加熱すると一部が糖質に変化し、甘味が増加します。しかし、エネルギーは、米や小麦粉の1/3程度で、ビタミンCやB1、たんぱく質の吸収に関係するビタミンB6などを多く含んでいます。そのほか、切り口から出る白い液体成分である「ヤラピン」は胃の粘膜を保護や腸の運動を助け、食物繊維とともに便秘解消の効果があるといわれています。旬は新物で9〜11月、貯蔵したもので1〜3月ごろがおいしいとされています。 今日の給食では、砂糖としょうゆで味つけして甘煮にしています。 本日の献立/9月20日(水)・オムレツ、ブロッコリー ・じゃがいもの洋風煮 ・ぶどうゼリー ・牛乳 栄養価 エネルギー 834kcal、たんぱく質 25.8g、脂質 21.7g ☆ハヤシライス☆ ハヤシライスは、うす切りの牛肉とたまねぎなどを主材料にして、デミグラスソースやトマトソース、ケチャップなどで煮込んだソースをご飯にかけた料理で、明治の初めごろに西洋料理が日本で変化したと思われる洋食の1つです。料理の発祥にはいろいろな説があります。 そのうちの一つは、牛肉をデミグラスソースで煮込んだハッシュドビーフをご飯にかけたとのことで、ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス(Hashed beef with Rice)がなまってハヤシライスになったということです。現在のイメージとしては、デミグラスソースをベースにして煮込んだ大人向きの料理がハッシュドビーフ、トマトソースやケチャップをベースにし、甘味をきかせて煮込んでご飯にかけ、子どもから大人まで楽しめるようにした料理がハヤシライスというような感じもしますが、ご飯に合うように味つけをくふうしてきた結果かもしれません。「海軍割烹術参考書(1908年)」でも、ハッシュドポテトが、ドライハヤシと紹介されている例もあり、「ハッシュ」を「ハヤシ」と表現していたのではないかと考えられます。また、そのほか実業家であり医師でもあった「早矢仕有的(はやしゆうてき/1837〜1901)」がつくったという肉料理であるという説や、宮内庁で考案された料理を「林」という名の料理人が、従業員のまかない飯として提供したという説などがあります。そのほかにも元祖だと名乗るレストランなどもあり、実のところはよくわかっていません。 しかし、カレーライスやどんぶりのように、ご飯の上に味つけした具材をかけて食べるという料理は、手軽においしく食べられるようにくふうされた日本独特の発想だと思います。最近、クリームシチューをご飯にかけるという商品も発売され、若い世代では目新しく感じるかもしれませんが、昭和の世代であれば、各家庭でそのようにして食べた経験がある方も多いのではないかと思います。 本日の献立/9月19日(火)・豚肉とだいこんの煮もの ・小松菜とはくさいのおひたし ・パインアップル(缶詰) ・ごはん、牛乳 栄養価 エネルギー 877kcal、たんぱく質 31.2g、脂質 29.9g ☆みりん(味醂・味淋)☆ みりんは、蒸したもち米と米麹(こめこうじ)、焼酎あるいは40%のアルコールを混ぜ合わせて仕込み、熟成させたものです。調味料として使われることが多いですが、実はお酒の一種です。本みりんにはアルコールが14%程度含まれ、昔は、甘味を備えたお酒として親しまれていました。関西では「柳蔭(やなぎかげ)」と呼び、氷を加えて夏の飲み物とされることもあります。 みりんの歴史については、諸説がありますが、戦国時代に中国から渡来した「密淋(ミイリン)」という甘い酒が起源とされる説や、博多の「練貫酒(ねりぬきざけ)」という甘い酒に、腐敗防止のため焼酎を加えたものがみりんになったという説もあります。密淋については、日本に伝来したことが「貞徳文集(ていとくぶんしゅう/1649年)」に、練貫酒の発祥については「蔭涼軒日録(いんりょうけんにちろく/1466年)」にそれぞれ記載されています。また、1593年に豊臣秀次の書記役である駒井重勝が書いた「駒井日記」に、みりんの記述があり、戦国時代では、甘味のある高級酒として貴族たちに珍重されていた様子がうかがえます。これが現在のように調味料として扱われるようになったのは、江戸時代の中期で、かば焼きのたれやそばつゆなど、料理の甘味として広まっていきました。 現在も本来のみりんである「本みりん」は酒として扱われていますので酒税がかかります。そのため、料理用として2%程度の塩分を加えて飲めなくした「発酵調味料」や、ブドウ糖や水あめに、グルタミン酸、香料などを加えてアルコールを1%未満にした「みりん風調味料」なども製造されています。 今日の給食では、「鶏肉のみそ風味揚げ」と「豚肉とだいこんの煮もの」の味つけに使用しています。 ☆明日(9/20)は、ハヤシライスがありますので、スプーンのご用意をよろしくお願いします。 本日の献立/9月15日(金)・スコッチエッグ(ケチャップ) ・キャベツのドレッシングあえ ・オレンジ ・ごはん、牛乳 栄養価 エネルギー 859kcal、たんぱく質 32.1g、脂質 25.2g ☆栄養素について(1)「三大栄養素」☆ 食品に含まれる主な栄養素の代表として、「炭水化物(糖質)」、「たんぱく質」、「脂質」「ビタミン」「ミネラル」の5つがあげられ、これらを「五大栄養素」と呼んでいます。このうちエネルギー源となるのは、炭水化物、たんぱく質、脂質で、この3つを「三大栄養素」または「三大熱源」ともいいます。 私たちの体は、筋肉だけでなく脳や内臓、その他体をつくるすべての組織が活動し、生命を維持しています。エネルギーと呼んでいるのは、その活動を起こすための源となる燃料のようなもので、三大栄養素は、体内でATP(アデノシン3リン酸)というエネルギー発生物質に変換され、私たちの生命の維持や成長するためのもととなっています。そのため、毎日の食事で、三大栄養素から必要分のエネルギーを摂取する必要があります。少なすぎると体内で起こる様々な活動に影響を及ぼし、多くとりすぎると、体内に蓄積するということが起こります。蓄積が続くと肥満となるのですが、これは体重が重くなるというだけではなく、体脂肪が増えるということを意味します。脂肪の蓄積の原因として、炭水化物と脂肪についてはよく知られていますが、これは三大栄養素すべてに起こることであり、たんぱく質でも起こることです。たとえば、筋肉をつけたいと思ってプロテインなどをとっても、運動が伴っていなければ、筋肉ではなく脂肪が増加することになります。さらにたんぱく質のとりすぎは、腎臓に負担をかけるなどの悪影響も考えられます。かといって、脂質や炭水化物にかたよると蓄積されやすく、肥満や動脈硬化などの危険性も高まります。また、炭水化物を抜くというダイエット法がよく取り上げられていますが、炭水化物を抜くと、運動によって傷ついた筋肉の回復が遅れるなどの影響も出てきます。すなわち三大栄養素は、その摂取のバランスをうまくとることが必要になります。これをそれぞれ英語の頭文字をとって「PFCバランス」といいます。(P:protein/たんぱく質、F:fat/脂質、C:carbohydrate/炭水化物) 1日に必要なエネルギーは、年齢や性別、活動の度合い、身体組成によっても個人差がありますが、それぞれの必要エネルギーのうち50〜65%を炭水化物で、20〜30%を脂質で、13〜20%をたんぱく質でとるとよいとされています。このとき、炭水化物と脂肪は1gあたり約4kcal、脂質は1gあたり約9kcalとして計算されますが、これを毎回計算しながら食べるというのはたいへん困難です。しかし、ご飯とおかずを食べるというスタイルの食事、いわゆる「和食」はこのバランスをとりやすいということからも、世界で注目を浴びる理由となっています。ただし、現在の日本の食生活ではこのバランスに乱れが出てきていることが問題となっています。 9月14日(木)の献立・赤平天とじゃがいもの煮もの ・れんこんの金平 ・野沢菜漬け ・ごはん、牛乳 栄養価 エネルギー 789kcal、たんぱく質 27.1g、脂質 20.7g ☆こんにゃく(蒟蒻)☆ コンニャクは、コンニャク芋を原料とした古くからある加工食品です。コンニャク芋はインドシナ半島が原産とされるサトイモ科の植物で、葉柄(ようへい)は1本の茎のように1〜2mくらいまで伸び、その上部に葉をつけ、地下に球茎(きゅうけい/芋の部分)をつくります。 日本へは仏教とともに伝わったといわれますが、縄文時代にサトイモなどとともに渡来したという説もあります。コンニャクが大衆食品として使われるようになったのは江戸時代で、1700年代後半に精粉(せいこ)の製造法が、常陸国(ひたちのくに)・水戸藩の農民によって考案されたことにより急速に広まったようです。 精粉をつくるイモは、冬に収穫し保存して、春に植えつけるということを繰り返しながら3〜4年栽培し、300〜400gになったら原料として収穫されます。これを切り干しにして製粉したものが精粉となります。精粉の主成分はグルコマンナン(コンニャクマンナン)と呼ばれる水溶性の食物繊維で、これに水と水酸化カルシウムなどのアルカリを加えると凝固し、不溶性の食物繊維となります。この性質を利用してコンニャクをつくります。生芋からつくった場合は芋の皮などが入り黒っぽく仕上がりますが、精粉を使うと白っぽく仕上がります。西日本では、生芋からの製造が続いていたこともあり、白いコンニャクはあまり好まれないため、現在ではヒジキやアラメなどの海藻を加えて黒っぽく仕上げています。普段食べているコンニャクの黒い点々はこれによるものです。 コンニャクは代表的な低エネルギー食品ですが、カルシウムや食物繊維を多く含んでいます。昔から「腹の砂をとる。」といわれるのはこの食物繊維が腸を刺激し、腸内の有害物質を排泄するためで、便秘や大腸がんなどの予防に効果が期待されます。また、血糖値やコレステロール値を下げる効果もあるといわれています。 14日の給食では、しらたき(白滝)とも呼ばれる白い糸こんにゃくをすき焼き煮に使用しました。 |