2月27日(月)に体育館で、「文楽体験」をしました。
最初、太夫・三味線・人形の三業について、生徒が数名ずつ体験をしました。
太夫の体験では、一人で、男の人、女の人、子どもの3人の声を出します。
三味線は、「ばち」を持つのも初めてで、最初は小さな音しか出ませんでしたが、本番ではしっかり音が聞こえました。
人形は、頭と右手、左手、足の3人の息が合わないと歩いているように見えません。
一生懸命教えてもらいましたが、難しかったと思います。でも、良い体験になりました。
そのあと、「傾城阿波の鳴門〜順礼歌の段」を鑑賞しました。
初めて見る人形の動きと太夫・三味線に引き込まれ、会場は物音一つしない中で、真剣に聞いていました。
詳細
阿波藩(徳島県)のお家騒動を題材にした物語です。
作者は、近松半二で1768年に初演されています。
物語は、十段ありましたが、現在は八段目だけが主に上演されています。
あらすじ
阿波藩の藩主、玉木家の若殿が、高尾という女性を好きになって夢中になっているのを幸いに、小野田郡兵衛という悪臣がお家横領を企てます。
この騒動のさなか、家老桜井主膳のあずかる玉木家の重宝、国次の刀が何者かに盗まれます。桜井主膳は、元家臣、十郎兵衛に刀を探すように頼みます。十郎兵衛と妻のお弓は、娘のお鶴を祖母に預け、大阪へでて探し始めますが、その方法は、名前も「銀十郎」と変え、盗賊の仲間になり質屋などの藏に忍びこみ探すのでした。
ある日、お弓が十郎兵衛の家で針仕事をしていると飛脚が来て「追っ手が迫っているので早く逃げろ」と知らせます。この切羽詰まったところに、かわいい巡礼姿の女の子が門口に立ちます。
巡礼の国なまり(方言)が気になり「国はどちら?」と訪ねると、女の子は「国は淡路で、父の名は十郎兵衛、母はお弓と申します。」と答えます。お弓は疑いもないわが娘と知ります。すぐにも母だと名乗り、抱きしめようとしますが、今は役人に追われる盗賊の夫婦、ここで親子だと名乗ればお鶴もいっしょに捕らえられるかもしれないと、「国で親の帰りを待ったがよい」とさとします。お鶴は、国の悲しい出来事や巡礼中の怖いことなどを訴え「帰りたくない、なにやら母のように思われる。ここに置いて下さい」と頼みます。
お弓は心を鬼にして返すことにします。お鶴は泣く泣く遠ざかっていきますが、お弓はのびあがり、見送って、泣き崩れます。しかしあきらめきれず、もしもの時は夫が考えてくれるだろうと後を追うのでした。