校長先生の式辞
　1学期よく頑張りましたね。今年は戦後70年の節目です。学校は、平和で民主的な国家を担う子どもたちを育てるために教育をしています。成績をつけることが目的ではありません。国語や社会や理科や、いろんな教科を通して先人たちが残してきたものを学び、これからの平和な社会を築くために勉強してほしいと思っています。
　スライドを見てください。南さつま市にある「万世」の平和祈念館です。戦後27年たって建設されました。ここ万世は最後の特攻隊が飛び立った場所です。この写真は「子犬を抱いた少年兵」とタイトルがつけられています。かわいい子犬を抱いているでしょう？あどけない顔をしていますね。みなさんとそう変わらない年の若者です。出撃の2時間前の様子です。
　犬を抱いた伍長は「最後の便りをいたします。その後元気の事と思います。栄ある任務をおび本日出発いたします。必ず大戦果をあげます。桜咲く九段で会う日を待っております。どうぞお体を大切に。弟たち、となり組のみな様にもよろしく。さようなら」と手紙を親にあてました。旅立つ姿を見ていた女子学生は出撃された隊員の思いをその隊員の親にお手紙で伝えました。「・・・特攻機にはいっぱい美しい花がつまれ、何十というお人情さんがつるしてありました。そのなかに五月人形のようにちょこっと腰かけられました。・・笑って死んだと伝えてくれと言って行かれました。私は愛機の翼をしっかとつかみました。この飛行機を止めようと思ったのでしょう。・・翼にすがった私はとうとう置いていかれました。・・みな目を真っ赤に亡き原氏。こんな悲しいこと、お母さんにおしらせしてはいけなかったのでしょうね・・・」と。
　私たちはこうした方々の犠牲のうえに今、元気に学校で勉強することができています。この夏、いろんな番組があります。平和についてしっかり考えてください。自分の命、人の命を大切にできる夏にしてください。そして、全員そろって2学期をむかえましょう。