第66回卒業証書授与式
卒業の歌「旅立ちの日に」の合唱を行いました。
感謝をこめて大きな声で歌えました。 第66回卒業証書授与式
送別の歌、仰げば尊し・蛍の光の斉唱を行いました。
第66回卒業証書授与式
PTA様からの記念品贈呈、並びに保護者代表謝辞をいただき、感動的なお話をいただきました。
第66回卒業証書授与式
体育館退場、そして保護者の皆様、教職員による花道を通っての退場です。
保護者の皆様、3年間本当にありがとうございました。 また5年後の成人式の日にお会いできることを楽しみにしています。 第66回卒業証書授与式
式辞
厳しい冬を乗り越え、自然界にエネルギー満ちあふれ、確かに春の訪れを感じられる日を迎えました。 今日ここに義務教育の全課程を修了されて、晴れて卒業の日を迎えられた皆さん、ご卒業 おめでとうございます。 ただいま251名の皆さんに、その証として卒業証書をお渡しすることができ、本当にうれしく思います。私も皆さんと同じ3年前に、ここ中野中学校の門をくぐりましたので、その日を思い出し、感無量です。改めて、卒業生の皆さんのこれまでの努力を讃えるとともに、心からお祝い申し上げたいと思います。おめでとうございます。 保護者の皆様 お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心も身体も共にたくましく成長されたお子様の姿に、皆さまの胸にも熱き思いがあふれていらっしゃることと存じます。そして、この3年間、今日まで、本校教育に、ご理解とご協力を賜りました事、改めて感謝いたします。 また、本日、ご来賓の皆様方には、公私何かとご多用のところ、晴れのこの良き日にご臨席を賜りました事、また平素より、本校教育活動へのご支援はもとより、地域の未来を担う子供たちの健全育成にご尽力いただいておりますこと、本当にありがとうございます。高いところからではございますが、厚くお礼申し上げます。 さて、本日で義務教育も最後。みなさんは未来に向かって羽ばたかれます。そのみなさんに、今日は、未来の話をしたいと思います。例えば10年後、皆さんは25歳。もう結婚しているかもしれませんね。そしておそらく全員が、何かしらの仕事をしている。もしくはしようとしていると思います。 その25歳までの10年間に、世の中はどのように変わっていくでしょうか?またその変化を見据えて、どのような力・感性を磨いていくのが良いでしょうか。 グーグル社のラリー・ペイジ社長は「人工知能の急激な発達によって、今現在日常的に行われている仕事のほとんどをロボットが行うようになり、近い将来、10人中9人は今とは違う仕事をしているだろう」と言っています。 現在でも、iRobot社のルンバのようなお掃除ロボットはもう活躍していますし、自動車もすでに「移動君」という名のロボットと言ってよく、初心者が不得意な縦列駐車を自動的にやってくれる機能を搭載していますし、高速道路での車線変更も自動運転でできます。「OKグーグル!」と聞けば、月までの距離も、海遊館の閉館時間も、近所のどこに花屋さんがあるのかも、平行四辺形の面積の求め方も、桶狭間の戦いがいつなのかも即座に教えてくれます。 ただ、現在のグーグルのコマーシャルにはこんなシーンがあります。 あまり有力校ではなさそうな野球部の高校生らしき学生が校庭の部活の練習時にスマホに、「ここから甲子園まで?」と聞きます。 彼は距離を聞いているのではなく、どうしたら、自分たちが甲子園に出られるようになるか。どんな練習をしたら強豪チームにも勝てるほど強くなるのかを聞いているのです。この質問に今のスマホは沈黙します。答えは出ません。でも、答えが出ないのは今だからでしょう。きっと10年以内には人工知能が答えてくれている世の中になっているのではないでしょうか。 人工知能が急速に発達していき、ロボットがかなりのことをしてくれる10年後、私たちの仕事はどうなるでしょう。 私はこう考えています。人工知能が高度に発達すればするほど、人間は、人間でなければできない仕事をするようになり、そのために、人間本来の知恵と力を身に付けることが今まで以上に大切になると。なので、皆さんは、これから10年の世の中の変化の中で、 人間本来の知恵と力、人間力を身につけることが、間違いなくさらに重要になります。 では10年後に必要とされる人間らしさ、人間力とはどういうものでしょうか、私は二つあると思います。 一つは「新しい事、変化することを歓迎する気持ち」「新しい事、変化することを想像してワクワクできる事」だと思います。 ロボットは例え「明日はお休みですね、ワクワクしますね」と言ってもワクワクしていませんから。人間もなかなか新しい事や高みに挑戦することを苦手にする人は多いですが、でもできる人はいます。そういう人が社会を進化させていくと思います。ダーウィンの進 化論でも『生き残る種とは、最も強い種ではない。また、最も知的な種が生き残るのでもない。生き残るものは、変化に最もよく適応したものである。』と言っています。 そしてもう一つ、10年後にも必要とされる人間らしさとは「誠実さ、ひたむきさ、やさしさ・おもいやり」のような、機械では表しにくい、人間の基本的な美徳、一言で言えば、いい「人柄」であることだと考えます。仕事は、人柄のいい人としたほうが楽しいに決まっていますよね。 どうぞ、これから10年、「新しい事を学ぶことを想像してワクワク」できるようになってください。そして 「ひたむきさ、誠実さ、やさしさ・思いやり」を意識して人柄を高めることに挑戦してみてください。そうしていけば、世の中が、みなさんを見放すことはないでしょう。 「新しい事を想像してワクワク」するには、「新しい事を学び続ける気持ち」が大切です。 ひたむきさの基本は、「きちんと人の目を見て挨拶ができること」によって養われます。 誠実さの基本は「約束を守ること」によって、養われます。 そして優しさ・思いやりの基本は「人の話が聞ける事」からスタートします。 「学び続ける」「挨拶できる」「約束を守る」「人の話を聞く」 結局、人間らしさ、人間力を磨くのは、小学校の時から、今日の日まで、保護者の方や先生に、ずっと言われてきた事です。 それを続けていくことが2020年代を生き抜く力だという事になりますね。 振出しに戻るような、未来に向けて身に付けるべき必要な力の話でした。 保護者の皆様に改めてお礼申し上げます。皆さまにとって、かけがえのない大切なお子様を3年間お預かりし、 私たち教職員一同、精一杯努力を重ねてまいりました。この間、学校に対する保護者の思いや願いに充分お答えできなかったことも あろうかと存じます。しかし保護者の皆さまからは、常に温かいご理解とご協力をいただいて参りましたことに対し、本当に心より厚くお礼申しあげます。 今後は、ご来賓の皆様ともども、地域の良き理解者として、後輩たちの健全育成に、更なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。 卒業生の皆さん、いよいよ別れの時が来ました。暖かな春を迎えようとしている今日の良き日、大きな翼を広げ未来に巣立っていかれる卒業生の皆さんに、アメリカの詩人 ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローの言葉を贈りたいと思います。 その言葉は 「雲の後ろでは、太陽がいつも輝いている。」 というものです。 これからの人生は、晴れた日ばかりではありません。心も同じです。心が厚い雲に覆われ、雨が降る日もあるでしょう、しかしその時でもなお、空を見上げてください。 厚い雲の向こうでは必ずいつも、太陽が燦々と輝いています。本当に辛い時、その言葉を思い出し、太陽を信じて、歩んでいってください。 この言葉を贈る言葉として 私の式辞といたします。3年間 ありがとう。 平成29年3月14日 大阪市立中野中学校長 山本哲哉 |
|