阪南中学校は、今から70年前の1947(昭和22)年に大阪市立阿倍野第三中学校として、高松小学校と工芸高校の校舎の一部を借りて開校されました。開校当時は、間借りで校舎もない、運動場もない、何も無いなかでのスタートだったそうです。
　開校から2年後の、1949(昭和24)年に、校名を大阪市立阪南中学校と改め、北畠のこの地に移ってきました。最初はグランドも狭く、体育館もなかったそうです。当時、今みんなが立っているこの辺りは、今池と呼ばれる池があったそうです。その今池を買収してグランドを広げ、体育館を建てようと、当時のPTAや地域の方々が相当な苦労をされ、今の礎を築いてくださったわけです。
　ちょうど地下鉄の四つ橋線が大国町から玉出までの延伸工事をしていた時で、交通局と掛け合って、地下鉄工事で掘り出した土をダンプで運び、保護者の方も大勢が協力して埋め立てたそうです。そういった阪南中学校をいい学校にしたいという、多くの人の熱意や努力の上に、今みんなは立っているということを忘れてはいけません。
　1年生は知らない人がほとんどだと思いますが、先生も阪南中学校の出身です。みんなの先輩でもあるわけです。また、みんなが大きな声で歌っている「阪中健児の歌」ですが、先生が生徒の時はありませんでした。この「阪中健児の歌」の作曲したのは、先生の同級生の河合宏子さんで、大学で音楽を勉強している時に頼まれて作曲したと言っていました。正確には分かりませんが、35年ぐらい前に作られ歌いつがれているものだと思います。
　お話ししたように、今皆さんが立っている場所は、70年近く多くの人が学び、汗を流してきた歴史がしみ込んでいる場所です。その歴史と伝統の上に立って、次の新しい阪南中学校を作っていくのは皆さんです。これまで阪南中学校を発展させてきた先輩方に負けないように、しっかりと頑張ってほしいと思います。

　さて、新年度になりまして、始業式から約1週間が経過しました。この間、3年生の生徒達の様子を見ていますと、いい意味で緊張感を持ちながら、また、来春への進路選択についてもしっかりと意識しながら、順調に3年生としてのスタートを切ってくれていると思います。
　このような中、ゴールデンウィーク明けの5月11日から13日の2泊3日で、信州方面に修学旅行にまいります。詳細につきましては、後ほど学年から詳しく説明させていただきますけれども、自然あふれる信州で、大阪ではできないさまざまな体験が計画されています。また、集団活動を通して、これまで以上に、友だち同士の相互理解を深め、集団として高まっていくことも目標の一つとして取り組みを進めているところです。
　私が教員になった頃の修学旅行と言えば、観光バスに乗って観光地に行き、ガイドさんの案内で説明を聞きながら、名所旧跡をめぐるという形が定番でしたが、現在では、ほぼすべての学校で体験的な学習を取り入れた修学旅行が行われています。
　今回の修学旅行においても、おたり自然学校での農業体験、五竜高原での雪遊び、犀川でのラフティングなどが計画されています。また、1泊目は栂池高原のペンションでクラスごとの分宿をする予定にもなっています。
　どの体験も宿舎も万全の安全対策が取られていますし、学年の先生方も非常にち密に、そして丁寧に準備を進めていただいていますので、ご安心いただきたいと思います。
　これから詳しい説明をさせていただきますが、ご家庭の協力を得ながら、子どもたちの心に残るすばらしい修学旅行を作り上げていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い致します。
　簡単ですが、最初のご挨拶とさせていただきます。最後まで、よろしくお願い申しあげます。