西谷さんの講演より
戦争はなぜ始まるのか?
宗教の違いや領土問題などではなく、戦争は権力を持った一部の人たちが武器を売って莫大な収入を得るためだと考えている。
戦争が起きれば武器が売れる。
武器が売れなくなると、戦争を起こすようにメディアからの情報を操作し、世論を味方につけ、戦争を正当化する。
1991年湾岸戦争で、アメリカ生まれでアメリカ育ちの15歳のナイラさんが、さも自分の目で見たかのように、イラクの病院で312人の赤ん坊がフセイン政権に虐殺されたと訴えたことをきっかけに、国民の打倒フセインの気運が高まり、湾岸戦争が始まったことが、戦後、明らかになった。
まさに、権力者によって、操作された情報から始まった、間違った戦争だった。
戦争を止める方法は、戦争を起こさないことだが、起きてしまったら、「北風と太陽」の北風のように、暴力を暴力で押さえることはできない。太陽のように、困っている人を助ける、人として当たり前のことをすることで、憎しみや悲しみを和らげるしかないのではないか。
第二次世界大戦での反省をもって、ドイツが行なっている人道支援、国際平和村では、戦争で傷ついたアフガニスタンの子どもの治療やリハビリを行なっている。
子ども達が、元気なって母国へ帰ったとき、ドイツや日本の医師に救ってもらったという事実を広め、彼らに未来への希望を抱かせることになるだろう。
中学生のみんなは、日本で生まれ、毎日当たり前のように勉強できる環境にいる。
今、学校で学ぶ多くのことに一生懸命向き合うことが、今後の人生を拓いていくことになる。目先のことに目を向けた勉強ではなく、自分の未来に向けて勉強してほしい。