春の香りが満ちあふれ、生きるものすべてに生命の息吹がみなぎる希望の季節を迎えました。この春爛漫の佳き日、阪南中学校に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学を在校生はもちろん、教職員一同心待ちにしておりました。
本日ここに、公私何かとご多用の中を、多数の皆様にご来賓としてご臨席をたまわり、入学式を挙行できますことに心から感謝申しあげます。誠にありがとうございます。また、平素より本校の教育に、深いご理解と多大なご支援を賜わっておりますことに対し、高いところからではございますが、心からお礼申しあげます。
阪南中学校は昨年創立70周年を迎えた歴史と伝統のある学校です。今、皆さんは、本校の第72期生、「阪中健児」として、新たな出発点に立ちました。壇上から皆さんの顔を見ていますと、緊張した表情ながら目が輝き、中学校生活への期待や意欲が伝わってきます。どうか今のその気持ちを大切にして、しっかりと前を見て中学校生活をスタートさせてください。
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皆さんは、今日から中学生となり、児童から生徒という呼び名に変わりました。このように呼び名が変わるという事は、子どもから大人に一歩近づいたということです。すなわち、自分で考え判断し、行動する。自分でやったことに責任を持たねばならないということです。
中学校での三年間は、長い人生の中で心や身体が最も成長する大切な時期です。この三年間の中学校生活を有意義なものとするため、大切にしてほしいことを三つお話ししたいと思います。
一つ目は、「自分を大切にする」ということです。一歩大人に近づいたというお話をしましたが、中学校時代は大人になるための準備をする時期でもあります。自分自身を大切にするということは、言い換えれば、自分に厳しくあれということです。人間は、楽な道と苦しい道があれば、どうしても楽な道を選んでしまいがちです。たくさんの誘惑もあることでしょう。その誘惑に負けず、勉学や部活動に励み、自分自身をしっかりと鍛えてほしいと思います。
阪南中学校では、「やる気の阪中」という精神が受け継がれています。学級でのいろいろな取り組み、体育大会や合唱コンクール、文化発表会などの学校行事、そして部活動など自分を鍛え、自分らしさを発揮する場所や力を伸ばすチャンスがたくさんあります。意欲を持ち、自信を持って挑戦してください。
二つ目は、「仲間を大切にする」ということです。皆さんの指先には「指紋」があります。自分と同じ指紋の人は、全世界を探してもどこにもいません。つまり、皆さんは、一人一人それぞれに違いがあり、良さがあるということです。お互いの違いを認め合い、その良さを学び合い、思いやりの心を持って接することですばらしい友情が生まれます。自分のことだけではなく、常に他人の立場を考え、いじめのない学級・学年を作ってほしいと思います。
三つ目は、「時間を大切にする」ということです。この三年間をどう使うかはあなた方次第です。一時間一時間の授業をどれだけ大切にできるか、いかに集中して受けるか、それが重要です。中学校では、教科ごとに教えてくださる先生が変わります。一生懸命コツコツと勉強を積み上げていけば、三年間で大きな力となって、皆さんの身につくはずです。時間を大切にするということは、一時間一時間の授業を大切にすることでもあります。
最後になりましたが、保護者の皆さま、お子様のご入学、誠におめでとうございます。お慶びもひとしおのこととご拝察いたします。
私たち教職員一同、今日から三年間、本校の校訓である「自主・自律・共生」という言葉が示している力や心を身に付けた生徒となるよう、生徒一人一人を大切に、努力していく決意を新たにしております。どうか本校の教育へのご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。
学校の役割、家庭の役割、そして、連携して取り組んでいくことを大切にして、子どもたちの未来のために力を合わせてまいりたいと思います。困ったことがあれば、遠慮なくご相談ください。
学校、家庭、地域が一体となって連携を深めていけば、子どもたちの能力はさらに伸び、教育活動がさらに充実したものになると確信いたしております。
それでは、新入生の皆さん、阪南中学校の生徒としての自覚と誇りを持ち、今日より明日、明日よりあさってと、一歩一歩着実に前進していくことを期待して、式辞といたします。
大阪市立阪南中学校長 山崎英志