「暑熱順化(馴化)」という言葉を聞いたことがありますか? 私も最近、初めて聞いたのですが、暑熱順化とは体が暑さに慣れることだそうです。暑熱順化すると低い体温でも汗をかきやすくなり、汗の量は増え、皮膚の血流も増加します。熱が逃げやすくなり体温の上昇は防ぎます。その結果、暑さに対して楽に過ごせるようになり、夏バテや、体のダルさを防ぐことができます。また、汗腺で作られる汗は、毛穴から出る前に塩分が血液中に再吸収されます。暑熱順化すると、この塩分の再吸収が更に高まるので、汗に含まれる塩分が少なくなります。つまり脱水になりにくくなるそうです。
今週、かなり暑くなってきました。登校日が始まり、感染症対策にも気を張っているなか、今度は熱中症への心配も出てきました。
先ほどの暑熱順化も、今までなら特に意識しなくても、段々と暑くなっていく気候に合わせて、徐々に体が慣れていったはずです。しかし、今年は体が慣れていません。子どもたちへの心配はそれだけではなく、運動不足から筋肉量もきっと低下していると思いますし、マスクによる熱こもり、かぶれなどのおそれもあります。また、マスクの影響で、子どもたちが口の渇きに気づかず脱水症状になることも考えられます。他にも数え上げたらキリがありません。
現状のガイドラインでは、体育の学習を行うにはマスク着用が条件になっています。休み時間に運動場で遊ぶ時もマスク着用です。これだけ自粛させたのだから、せめて「学校では体育させたって〜」「広い運動場で友だちと休み時間くらい遊ばせたって〜」…、子どもたちの気持ちを考えたら、保護者のみなさんも私たち教職員も思いは同じです。しかし、これは、安全という土台がある上に成り立つもの。そう考えると、とても厳しい状況です。これは、あくまでも一例で、本当に悩ましい問題がまだまだ山積です。
学校再開に向けての動きが慌ただしくなってきていますが、保護者のみなさんの理解も得ながら、子どもたちの命・健康を最優先して、焦ることなく学校教育を進めていこうと考えています。無理をお願いすることもあると思いますが、よろしくお願いします。何か新しい動きがありましたら、お伝えします。お待ちください。