【放課後の空き地】
　
「いやだなあ。早く終わらないかなあ。」
「リサイタルなんかやめて、リアルおままごとにしましょうよ。」
「それもイヤ！」
「グリーンは、のどが痛いから、今日のリサイタルは延期だって！」
「ヤッター！みんな、帰ろ帰ろ。」

【次の日の朝】
　
先生がやってきました。
「先生、グリーンはどうしたんですか？」
「熱があるから、病院に行くそうです。」
「連絡プリントを書いてくれる人？」
全員の手が挙がります。

【休み時間】
　
「グリーンのヤツ、コロナじゃねえのか。」
「ざまあみろ、いつもエラそうにしてるからさ！」
「ヤバッ！肩組んでたからコロナうつったかも…」


あらあら、よく確かめもせず、色んな話をしていますね。
そんなクラスで、いいのかなあ。
もう少し、みんなの様子を見て見ましょう。

【話の続き】
　
「先生、熱が出てるって言ってたね。」
「いいじゃん、グリーンはいつもみんなを困らせてるんだから。」
「そうさ、ちょっとくらい大人しくした方がいいんだよ。」
「そうだ、そうだ！」

「病院で検査して本当にコロナだったら、グリーンどうなるんだろう？」
「しばらく入院するんじゃない。」


グリーンについての話は続きます。

【話の続き】
　
「10日か2週間くらい入院かな…」
「入院したら、家族とも会えないかもね…」
「そんなの、グリーンがかわいそうだよ。」
「僕、グリーンと遊びたいよ！」
「私も、俺も、僕も…」
「グリーンは、いつもみんなにマスクしろって言ってたよな。」
「そんなこと注意するの、先生とグリーンだけだもんな。」
「グリーンは、みんなのために注意してたんだな。」

みんなは、グリーンのことを思いながらマスクをつけました。

「大丈夫だよ、グリーンはコロナになんて負けないよ！」
「僕、もしグリーンがコロナに感染してたとしても、しっかり治して元気になって、また一緒に遊びたいな。」
「そうだよ、悪いのはコロナだよ！」
「そうよ、グリーンは何も悪くないわよ！」
「おうい、グリーン！早く元気になって、学校に来いよー！」


みんなはグリーンのことを想い、窓に向かって叫んだのでした。