相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19名が殺害され、16人が負傷した事件の発生から昨日で5年を迎えました。今も胸が痛みます。忘れてはいけない、私たちが考え続けなければならない問題だと思います。公判で犠牲者の美穂さんの名前を唯一公表したお母さんは、毎日新聞の26日の朝刊の記事の中で、「植松死刑囚も社会が作ってしまった人間。二度と悲しい事件が起こらないように社会で考えてほしい」と語っておられます。
被害者の方の氏名を公表できないことに、障がいのある人やその家族に対する偏見や差別が、今なお根深いものであることがわかります。この事件によって問われているのは、社会をつくっている私たち一人一人の意識なのだと思います。
7月16日、NHK、Eテレの番組「バリバラ」のメインキャスターである玉木幸則さんが本校を訪れ、6年生に特別授業をしてくださいました。玉木さんには脳性まひの障がいがあります。大きなテーマは「すべての人にとって居心地の良い学校」を考えることでしたが、「ぼくとみんなの違うとこはどこやろ?」という玉木さんの質問から授業が始まりました。
子どもたちは、普段の学校の教科学習では得られない、たくさんのことに気づくことができたように感じました。特別授業の様子は、8月21日の深夜に放送される予定です。
「できないこと」を「役に立たないこと」と見てしまうような社会にはしたくないと思います。
校長 久保 敬