保護者、教職員で作る花道を通り、卒業生が輝く未来に向けて、この十三中学校で過ごした日々を心の糧に、力強く、誇り高く、羽ばたいていきました。
卒業生代表から後輩たちへ、力強いメッセージがありました。中学校生活2年間をコロナ禍の中で過ごしましたが、保護者を始め、仲間、教職員などたくさんの応援を力に変え、大きな困難を乗り越えてきました。次は後輩たちの番だと。『今よりさらに輝く十三中学校にしていってください』と期待を込めた言葉が答辞にありました。
75・76期生の皆さん、がんばりましょう。
【卒業生 歓びのことば】
日差しが日々やわらかくなり、桜の蕾も色づき始め、命が躍動する春の訪れを感じる季節となりました。この良き日に、私たち七十四期生は、この十三中学校を卒業します。
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新型コロナウイルス感染症拡大のため、多数の行事が縮小や中止になる中で、本日は私たちのために、このような心温まる卒業式を挙行していただきますことを、卒業生一同、心より御礼申しあげます。
思い起こせば三年前、入学式。私たちはたくさんの期待と不安を胸に抱きながら、正門をくぐりました。たくさんの先生方、保護者の方々に温かく見守られながら私達の中学校生活はスタートしました。最初は少し大きかった制服も、今ではすっかり体に馴染み、小さく感じられます。
入学して間もない頃は、授業についていけるのか、友達ができるのか、たくさん不安がありましたが、そんな不安はすぐになくなり、充実した中学校生活が私達を待っていました。
入学して最初の行事は、一泊移住でした。カッター訓練では、クラスの仲間と声を合わせてオールを漕ぎ、クラスの絆を深めることができました。夜に行われた室内オリンピックは学年全体で盛り上がり、とても楽しかったことを覚えています。
合唱コンクールでは、初めはなかなか声が揃わず、当日までに間に合うのか心配でしたが、練習を重ねていくうちに声と心が揃っていきました。本番ではどのクラスも練習の成果を存分に発揮できたと思います。
二年生の始まりは、緊急事態宣言による二か月間の休校でした。私たちはクラスの仲間と会うことができず、毎日が不安で一杯でした。次に皆に会えるのはいつになるのか、部活の練習や試合はどうなるのか。先の見えない状況で各々自分の信じる道を進み続けるしかありませんでした。
そして七月、ようやく全員が集まることはできましたが、今までとは全く違う生活になりました。様々な場面で制限がかかり、例年通りの活動はできなくなりました。しかし、私たちは、当たり前だと思っていた「学校」が、当たり前ではなかったということに気づき、改めて「学校」という存在に感謝することができるようになりました。
三年生になり、青空の下行われた中学校最後の体育大会。校内発表会という形にはなりましたが、どのクラスも一丸となり優勝を目指して頑張りました。最後に行われた学年演技はなかなか動きが揃わず不安でしたが、本番では練習の成果を存分に発揮でき、最高の演技をすることができました。
コロナによる延期が何度も続いた修学旅行。直前まで中止になるかもしれないと思っていましたが、先生方やたくさんの方々のおかげで、一泊二日で実施することができました。一日目の選択別体験は、三種マリンや釣り、陶芸にイルカのトレーナー体験がありました。台風の影響で三種マリンと釣りは陶芸に変更となり、残念に思った人もいましたが、みんな個性のあふれた作品を作ることができました。二日目は、桂浜の散策とうどん作り体験を行い、それぞれ貴重な体験を楽しみました。民泊がなくなってしまい、例年とは違うプログラムにはなりましたが、四国ならではの体験をさせていただき、思い出に残る、とても良い修学旅行になりました。
秋も深まり、文化発表会を終えると、私たちの前に「進路」という大きな壁が立ちはだかりました。毎月のようにあるテストであまり良い結果が出ず、気持ちが沈み、自信を失うこともありました。志望校を変えなければならない人もいました。しかしそんな時にいつもそばで見守ってくれたのは「家族」でした。どんな時も優しい言葉をかけてくれ、そばで見守ってくれ支えてくれた家族には本当に感謝しています。これからも私達をよろしくお願いします。
そして、毎日の学校生活が充実していたのは、「友達」がいたからです。今になると何を喋っていたのか思い出せないような他愛のない会話や、教室でふざけたり、笑いあっている時間も、今となっては宝物のような美しい思い出です。人生で一度しかないこの三年間が、よい思い出で詰まったものになったのは、楽しい時も辛い時も、いつもそばにいてくれた友達のおかげです。本当にありがとう。
また、私達が成長できたのは教職員の皆様の支えがあったからです。先生方は優しく、時には厳しく私達を正しい方へと導いてくださいました。コロナ禍で行事が制限される中、たくさんの工夫をし、体育大会や修学旅行を実施してくださり、私たちに、最高の思い出を作らせてくださいました。本当にありがとうございました。
この通い慣れた校舎とも今日でお別れです。思い返すと、この中学校で学んだ三年間は、一瞬のように感じます。でも、私の心の中から、たくさんの美しい思い出が、後から後から、いくらでも溢れ出てきます。私たちはこれから、この十三中学校を離れ、自分で選んだ道を、一歩一歩、自分の足で歩んでいきます。高く大きな壁に何度もぶつかることと思います。でも、そんな時こそ、この十三中学校で学んだ日々が、私達の背中を押してくれるはずです。そっと、優しく、そして、力強く。
在校生の皆さん、私たちが受け継いできたこの十三中学校の伝統を、これから後に続く学年へ伝え、今よりももっと輝く十三中学校にしていってください。皆さんの力に期待しています。
最後になりましたが、皆様のご活躍と、十三中学校のますますの発展を祈りつつ、歓びの言葉とします。
令和四年三月十一日
卒業生代表