3/11(金)卒業式
校長先生の式辞を紹介します。
式辞 春の息吹が、あちらこちらで感じられる頃となりました。本日このように、本校第74回卒業証書授与式を挙行できましたことを、心より感謝申しあげます。 さて、卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。卒業証書を受け取るみなさんの顔には、中学校三年間、義務教育九年間の学びを得て、立派に成長した自信と誇りが感じられました。みなさんの脳裏には、三年間のさまざまな出来事が駆け巡っていることと思います。楽しかったことはもちろん、苦しかったことや悔しかったことも含めて、そのすべてがかけがえのない思い出の日々なのだと思います。 私は、みなさんが入学した年度から本校に赴任しましたので、余すところ無く三年間の成長を見届けることが出来ました。「おおきくなったなあ」、これが率直な一番の感想です。入学式のとき、緊張した表情のなかにも、長吉中学校の生徒として頑張るぞという意欲・態度が見られ、感心したのが、つい昨日のことのような気がします。「光陰矢の如し」みなさんにとってもあっという間の三年間だったかもしれません。 振り返ってみると、学び舎は旧校舎、仮設校舎、そして現在の新校舎と教育環境も変わる中、一年生の3学期頃から新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休校や時差通学、行事の中止・延期など学校生活にさまざまな制限がかかりました。不安な日々を過ごしたことと思います。そのような状況の中でも、みなさんは長吉中学校の校訓「明朗・協調・自律・勤勉」に添う成長をしっかり果たしてくれました。 団のため、クラスのために、最後まで力を振り絞って競技した学年だけの体育大会。役割を全うし、全員で創りあげた文化発表会での学年劇・クラス合唱。有志の実行委員が中心となり、自分たちでルールを決め、計画・実行して成し遂げた修学旅行。そして、地域を巻き込んでのクリーンアップ活動や挨拶運動、いじめ撲滅の取り組みなどの生徒会活動、その他にもたくさん後輩に「頑張ることがかっこいい それを応援することもかっこいい」ことを示してくれました。来年度創立75周年を迎える長吉中学校の新たな1ページを開き、後輩に確かなバトンをつないでくれたことに先生からも感謝の気持ちを伝えたいと思います。頼もしい背中を見せてくれてありがとう。そして、たくさんの感動をありがとう。 さて、日本は今、新型コロナウイルス感染症だけでなく、高度情報化社会の進展、経済のグローバル化、少子高齢化による人口の減少など、先行きが不透明で将来の予測がつかない(VUCA)時代に突入したといわれています。日本だけではありません。世界中が転換期を迎えています。そのひとつ、先日来、揺れ動いている世界情勢にみなさんも心を痛めていることと思います。これからは、何事も世界規模の、いえ、地球規模の視点をもって物事を俯瞰的に見る目を養っていかなくてはなりません。 このような時代を、これからみなさんが力強く生き抜いていくために、身につけてほしい資質の一つとして「レジリエンス」があります。「レジリエンス」とは、回復力とか立ち直る力という意味で使われています。 「失敗を恐れずに何事にもチャレンジしよう」というのはよく言われますが、私はそれと同時に、失敗から立ち直る力、つまり「レジリエンス」をみなさんに身につけてほしいと思っています。 そのために、心にとめてほしいことが4つあります。 一つ、成果が現れなかったときは、「自分に才能がなかったからではなく、自分の努力が足りなかったからだ」と反省し、再び立ち上がること。「努力に勝る天才なし」という言葉があります。粘り強く努力した結果、才能は開花するのです。自分の可能性を信じて努力を続けてください。 二つ、失敗したことを悩んだり悔やんだりしても、結果それ自体は変わりません。ここでやらなければならないことは、次に備えて改善策を模索すること。いち早く気持ちを切り替えて前に進むことです。 三つ、家や学校、職場で叱られた時には、叱ってくれている人の思いを汲み取ること。あなたの成長を期待しての叱責です。また、叱られることで心が鍛えられ、「折れない心」がつくられるのです。 四つ、失敗しても他人のせいにせずに、自分自身の問題として、自己と向き合って考えること。他人のせいにした瞬間に自分事ではなくなります。世界でたった一人の自分を育てる最終責任者はあなた自身です。もう一人の自分と対話し、失敗から学んでください。 以上の四つ、「自分の可能性を信じて努力を続ける」「いち早く気持ちを切り替えて、前に進む」「叱ってくれている人の思いを汲み取る」「失敗しても他人のせいにせず自己と向き合って考える」により、卒業生のみなさんにはこれからの人生において「レジリエンス」を高めながら、しなやかな心で、諦めずに目標に向かって歩んでいってください。道は必ず開けます。 保護者のみなさまに申しあげます。お子さまのご卒業を心よりお慶び申しあげます。この十五年間、保護者のみなさまには、常にお子さまに寄り添い、目を離すことはあっても心離さず、その成長を温かく見守り、ときには大きな壁となりながらご苦労されてきたこととご拝察いたします。そのご労苦にあらためて敬意を表しますとともに、本校の教育に対して常に温かなご理解ご協力をいただき深く感謝申しあげます。本日は誠におめでとうございます。そしてありがとうございました。 それでは卒業生のみなさん、これまでの十五年間を力にして、自信をもって、相手への思いやりを忘れず、しなやかな心で、新しい世界へ羽ばたいていってください。 では最後に、作家「たぐちひさと」さんの「続ける」という詩をはなむけに贈ります。 夢をかなえた人は 自分を信じ続けた人 運がいい人は 失敗から何度も立ち上がった人 好かれる人は いつも思いやりを忘れなかった人 愛される人は 心から愛し続けた人 幸せな人は 当たり前に感謝し続けた人 どんな時でもどんなことが起きても 続けた人に明るい未来はやってくる みなさんが健康で、その前途に幸多からんことを祈念し、式辞といたします。 令和4年3月11日 大阪市立長吉中学校 校 長 浅 埜 高 司 3/11(金)卒業の歌3/11(金)卒業式
続きです。
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