♯道徳心・社会性の育何気ない「いたずら」、でも、いやな気持ちになる人も…
給食室の前のホワイトボードには、健康委員会の人たちがみんなのために、給食の献立を書いてくれています。でも、それが先日、誰かのいたずらで消されていました。
玄関を入ったところには、その月の行事を書いている黒板があります。ところが、先日、書かれている内容の一部が消されていました。 児童集会で、健康委員会の人と田村先生が、そのことをみんなに伝え、絶対にやめてくださいと言いました。また、田村先生は、そんなことをする人の心の中を心配しました。「何か困ったことやいやなことがあったら、どの先生でも職員の方でもいいから言ってきてね」 実は、12月2日より本校では、それまで1階にあった靴箱を2階に移しました。靴が見当たらなくなるということが、これまで何度かあったからです。中には、いたずらで隠したというのもありました。 そこで、北津守小学校からこんなことをなくすためのまず第一歩として、教職員みんなで職員室の前に靴箱を移したのです。 前日の12月1日、校長先生は集会で、みんなに次のように話しました。 今日は、校長先生から、北津守小学校のみなさんにとても大切なお話があります。 「毎日、みんなが使っている、1階の靴箱を2階の職員室の前に動かします。」 そのわけを言います。 実は、1学期から今日までに、上靴や下靴の片方だけがどこかにいってしまうということが、何度かおこっているのです。 もし、あなたの靴が隠されたら、どんな気持ちになるでしょう。実際に考えてみましょう。では、目を閉じて想像してみましょう。 朝、学校に来ました。さあ、学校の門を通り、玄関を通って、靴箱の前につきました。 「あれっ?! 靴がないぞ! 昨日ちゃんと入れたのに…」 どんな気持ちがしましたか?今からそのときの気持ちをあらわす言葉を8個言いますから、少しでもそう思う人は、周りをきょろきょろみないで、手をさっとあげてください。手は何度あげてもいいです。 1 「かなしいきもちになる」 →(たくさん手が上がりました) 2 「なんだかドキドキして心配になる」 →(たくさん手があがりました) 3 「うれしくなる」→(全然、手はあがりませんでした) 4 「いやな気持ちになる」→(たくさん手が上がりました) 5 「誰かがやったと思って、だれかわからないけど、はらがたつ」 →(たくさん手が上がりました) 6 「自分で誰かのことをうたがってしまう」 →(高学年の人ほど多く手が上がりました) 7 「くやしいきもちになる」→(少し手があがりました) 8 「勉強したくなくなる」→(少し手があがりました) そうですね、自分の上靴が、見当たらなくなったら、悲しいし、心配やし、いややし、腹立つし、悔しいですよね。ひょっとして隠されてしまったのかもしれない、そんなことを考えたらすごくいやですよね。 でもね、この中には、人がいやがることをしてしまった人がいるんです。 そんな人のこと、そんなことが学校でおこったということ、みなさんはどう思いますか? 校長先生は、「すごく悲しいです。本当に悲しいです。」 校長先生は、次の3つのことで悲しいんです。 1つめは、 靴を隠された人の気持ちを考えると、悲しくなるということです。 靴がなくなってドキドキします。どうして自分はこんなめにあわないといけないのかと思います。私って、僕って、みんなからよく思われてないのかなって悲しくなります。 そんなことを思わせているということが、校長先生はとても悲しいんです。 2つめは 靴を隠した人の気持ちを考えると、悲しくなるということです。 おそらくその人は、いたずらのつもりでしょう。または、何か腹が立つことがあったから仕返しのつもりかもしれません。 でも、靴をかくすということをしてしまうその人の、さびしい心を想像すると、校長先生は悲しくなります。 3つめは そんなことがおこってしまって、とても残念な気持ちになっている学校の先生方や職員のみなさんを見ていると悲しくなるということです。 北津守小学校で働いているみなさんは、北津守の子どもたちのことが大好きです。大好きだからこそ、みんなのことをすごくほめたり、すごくおこったり、休み時間に一緒に遊んだり、けんかがあったら話を聞いて解決したりするんです。もし、みなさんのことがきらいだったら、何があってもほうっておきます。 今日、先生方や職員の方々はとても残念な気持ちで学校に来ました。そんなことを考えると、校長先生は、今、とても悲しいきもちになっています。そして、こんな悲しいきもちにみんながならないように、どうすればよいか考えて、靴箱を2階にあげることにしました。 靴がなくなるというようなことが、2度と起こらないように、校長先生は、心から願っています。 北津守小学校では、子どもたちをしっかり結びつけるために、楽しい活動を行っていますが、同時に、こんな取組みもしています。子どもは時折、誤った行動をしてしまいます。それらは結果として、周囲とのつながりを切ってしまう行動です。私たち教職員はそれを見過ごさず、丁寧に拾いながら、子どもたちの心に訴えかけて、また子どもたちをつないでいきたいと思っています。 がんばります。 |