令和元年度 卒業証書授与式 式辞
- 公開日
- 2020/03/22
- 更新日
- 2020/03/23
校長室から
小学校の課程を終え、晴れの卒業式を迎えた118名の6年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。小さい身体には不釣り合いな大きく重いランドセルを背負って、小学校の門をくぐってから早や6年が経ちました。
例年とは違う形での入場・卒業証書授与となりましたが、担任の呼称に応え、凛として立つ姿と表情に、改めて小学校6年間の成長を感じました。とても立派な姿でした。特に6年生となって、日々の授業はもちろん、運動会やマーチング、学芸会などの行事では、規律ある行動と、持ち前の創造力、表現力をいかんなく発揮し、多くの人に感動を与えてきました。それぞれの場面は、鮮明に私たちの脳裏に焼き付いています。しかし、成果をあげるまでの過程では、ずいぶん思い悩む経験をしたと思います。その度に、友だちや先生方、家族の協力や励ましに何とか支えられ、しんどさや厳しさを乗り越え、ようやく高い目標に届いた日々でしたね。そして、簡単ではないことをやり遂げた後には、替えがたい充実感・達成感がありました。
本来であれば、もっと多くの在校生、地域・ご来賓、保護者・家族の皆様に参列いただき、みなさんの晴れの門出を盛大にお祝いできる卒業式にしたかったのですが、叶わず、残念でなりません。
保護者のみなさま、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。それぞれのご家庭では、日々、お子達のりっぱな成長を喜ばれる一方で、真剣な、思いつめたような、時には苦しそうな表情にハラハラしながら応援していただいたこともあったと思います。誕生の日から、小学校を卒業するこの日まで、楽しい時も苦しい時も、豊かな時も貧しい時も、常にお子様のそばで、その笑顔に支えられながら厳しい社会を生き抜いて来られたというのが実感ではないでしょうか。保護者の皆様の感慨も一入のことと存じます。お子達はいよいよ「思春期」を迎え、親からの自立を果たすという、大きな人生の通過点、・節目に達することになります。今まで以上にこの子どもたちと心を通わせながら、さらなる成長への道筋を見守って頂きたいと思います。
改めて、卒業生のみなさん。みなさんが生きていく未来社会は混とんとしています。情報があふれ、何が正しいのか、何がまちがっているのかが分かりにくい世の中になっています。そんな時代にあっても皆さんが卒業を前に綴った文章を読むと、小学校で学んだことを糧に「人の役に立つ人間になりたい」「人の命を救う仕事につきたい」「人の心を楽しくできる職業をめざしたい」など書いてくれています。皆さんはこれからも、自分の目で見て、聞いて、考え、苦労した「確かなこと」を手掛かりに、これからの時代を生きぬいてほしいと思います。これまで六年間、さまざまな場面で自分の力を出し切ってきたみなさんなら、その意味を理解し、心に留めることができると信じています。
最後になりましたが、君たちに一言、励ましの言葉を掛けようと思っていたのに、ここにはこれなかった、バトンを引き継ぐべき5年生、縦割り活動で優しくしてもらった、6年生が大好きな下級生の子どもたち、学校行事の裏方として支えていただいたPTA・地域の皆様も見えない、別の場所から感謝や応援をしていただいていることを忘れないでほしいと思います。
みなさんは新しい令和の時代を切り拓く「希望の種」となって、「夢の力」を信じ、校訓である「強い心」「正しい心」「美しい心」をもつ大人に成長してください。みなさんの活躍を期待しています。
4月から始まる中学校生活が実り多いものになることを心から祈念して私の式辞といたします。
令和二年 三月十八日
大阪市立堀川小学校長 林田国彦