大阪市立堀川小学校

地獄と極楽の違いは・・・・

公開日
2016/02/08
更新日
2016/02/08

校長室から

2月8日 
 最近、自分のことしか考えない、いわゆる「自己チュー」の人が増えているそうです。皆さんはどう思いますか。 校長先生は、子どもの頃「地獄と極楽」という話を聞きたことがあります。今から、その話を皆さんにします。
 ある人が地獄に案内されて行ってみると、そこには大きなテーブルがあり、その上にはおいしそうなごちそうがいっぱいのっていました。しかし、そのテーブルに向かっている人を見ると、どの人も骨と皮ばかりにやせ細って、目ばかりギラギラさせています。こんなにごちそうがあるのになぜだろうとよく見ると、体が椅子にしばりつけられていて、その手には長いはしを持っていました。その長いはしで食べようとしますが、長すぎてうまく口に入らないのです。食べようとあせればあせるほど思うようにならないので、ますます恐ろしい形相をして、お互いにらみ合っているありさまでした。
 次に、極楽に案内されて行くと、全く同じようなテーブルがあって、同じくごちそうがいっぱいのっています。そのまわりに座っている人の体は椅子にしばりつけられていて、その手には長いはしを持っていました。状況は全く同じなのですが、そこに座っている人たちを見るとみんな豊かに太っていて、見るからに楽しそうな、幸せそうな様子なのです。
 どうしてだろうとよく見ると、そこの人たちは長いはしでごちそうをはさんでは、向かい側の人に「はい、どうぞ」と差し出しているのです。すると向かい側の人は「おいしい、おいしい」と食べては、今度は反対に、長いはしでごちそうをはさんで「はい、どうぞ」と向かいの人に差し出すものですから、お互いに、「すみませんね、ありがとう、ありがとう」と言って、本当に幸せそうな顔をしているというわけです。
 地獄と極楽では何が違っていたのでしょうか。
 実は、地獄と極楽との違いは、自分が社会の中で他の人とかかわって生きている存在であるということに気づいているか、いないかなのです。
 「おかげさま」「お互いさま」の心を大切にし、自分のことだけでなく、お互い協力し合うことの大切さを知っているかいないかなのです。みなさんには、ぜひお互いに協力し合うことの大切さを知ってほしいと思います。  
 どんなに科学が発達して便利な世の中になっても、決して忘れてはならないことなのです。