7月18日 校長講話
- 公開日
- 2017/07/18
- 更新日
- 2017/07/18
校長室から
三連休が終わり、夏休みまであと3日になりました。この連休中、たくさんの人が熱中症で倒れたり、川の事故で高校生が亡くなったりしたという悲しいニュースがありました。
かけがえのない命。亡くなった人はこれからの人生でいろいろやってみたいことがあったと思います。若い命が亡くなってしまうのは、とても残念なことです。
100歳を超えてまだお医者様をしている日野原重明先生という方がいます。お医者様という仕事は患者の痛みを治したり、命を救ったりするとてもすばらしい仕事ですよね。でもたくさんの人の命が終わるのを見てきた人だと思います。
ある時、先生が小学生にこんな質問をしました。「命ってどこにあるの?」
どこにあると思いますか。ある小学生は「ここ!」と言って胸の心臓を押さえました。先生は「心臓は血液を体中におくるポンプの役割がある大切な臓器ですが、命ではありません」と答えました。そして、「私たちは目に見えない空気の中にある酸素を体に取り込んで、心臓が血液を送ってくれて生きていくことができる。つまり、本当に大切なものは目に見えないんだよ」「命はなぜ目に見えないか。それは命とは、みなさんが持っている時間だからなんだよ」と教えてくれたそうです。死んでしまったら自分の時間がなくなってしまいますね。あれもしたい、これも頑張りたいと思ってもできませんね。周りの人も深く悲しみます。
そして、「どうか、一度しかない自分の時間、命をどのように使うのか、しっかり考えて生きてほしい。さらに言えば、その命を自分以外の何かのために使うことを学んでほしい」ともおっしゃいました。
「目に見えないけれど大切なこと」が私たちのまわりにはたくさんあると思うのです。ぜひ一度みなさんも考えてみてください。
※この記事をまさにホームページに掲載しようという時、「日野原重明さんが105歳で逝去される」という速報に触れました。ご冥福を祈ると同時に、故人の教育に対する願いを受け継いでまいりたいと思います。