わくわく豊崎

10月16日 「六甲山の砂防」

公開日
2014/10/16
更新日
2014/10/16

スマイルとよさき

 兵庫県南東部,神戸市の市街地の西から北にかけて位置する六甲山。むかしむかし,地学の実習で,国土地理院の地形図で六甲山の北側と南側の崖を赤鉛筆でなぞったことがある。結果は一目瞭然。

 圧倒的に六甲山の北側に崖が多い。これは,六甲山南側と海の狭い海岸沿いの平野や台地に市街地が密集しているため,植林や砂防工事を特に進めてきたからだ。

 六甲は東西方向に強い圧力がかかってできた。断層が多いのもそのためだ。六甲山の大部分は花崗岩でできている。花崗岩は風化が激しく崩れやすい。しかも,もろく風化しやすい性質は雨に強いとはいえず,しみこむ量が多すぎると雨を持こたえることができない。

 六甲山から流れるいく筋かの川は雨を集め,東西に長く南北に狭い神戸の街を一気に海まで駆け下りることになる。芦屋川や住吉川など,天井川が多いのもそのためだ。

 六甲山で産出される花崗岩は磨かれて「御影石」の名で各地で愛されている。また,六甲に降る雨が大地ににしみこみ,濾過されていくことで良質の水「宮水」を生み出してもいる。

 閑話休題,六甲山に限ることではないが,砂防は安全に暮らすうえで欠かせない存在なのだ。
 今日の理科の学習でも取り上げたが,今年8月に日本に接近した台風11号による大雨で発生した土石流を食い止めた砂防ダムが六甲にある。10月9日(木)に報道陣に公開され,ニュースや新聞でも話題となった。自然の破壊力のすさまじさだけでなく,自然災害を減らすための人々の努力も知ることができた。
 詳しくは,国土交通省近畿地方整備局 六甲砂防事務所まで。

 身近なところにも,教材はたくさんある。


【写真上】Google Earthより転載
【写真下】国土交通省近畿地方整備局 六甲砂防事務所より転載