1月23日 「能楽体験(2)〜小鼓の稽古〜」
- 公開日
- 2015/01/23
- 更新日
- 2015/01/23
わくわく豊崎
小鼓の胴には,蒔絵(まきえ)といって,漆を使った装飾がしてあります。漆を使って何か利用するという国は日本しかありません。世界に誇る技術です。
昔の人は,見えないところにお洒落を楽しんでいました。羽織や襦袢の袖,小鼓の蒔絵もそうです。
小鼓の胴の蒔絵は,お客さまからは見えませんが,演奏する人は,蒔絵がある自分だけの楽器(小鼓)を楽しんで演奏します。
蒔絵は,演者の好きな絵を描いてもよいことになっています。音(ね)と根をかけているので,根が太い植物を描いていたり,大きな音が出そうな雷や鉄砲を描いたりすることもあるそうです。
ちなみに,豊臣秀吉は桐,徳川家康は葵,ほかには,梅や紅葉,波や千鳥,すすきなどもモチーフになっているそうです。
胴の素材は桜で,乾燥したり,湿気でこわれないように軽い素材のものを使用しています。漆は湿度を保つ役割もしています。
演奏前に革に息をかけて湿度を調節することや,天候に合わせて調緒の締め具合を変えることなど,小鼓について教えていただきました。
まずは左手をグー,右手をパーにして練習してから,小鼓を手にしました。
手首の上に胴がしっかり乗るようにし,右手で支えて小鼓を構えます。
「ツ。」
「ホウ。」
「ポン!」
息を吸って,おへそに落とす感覚です。
手首のスナップを効かせて音を鳴らします。きれいな音が響くようになってきましたね。