学校日記

7・10(月)日本一短い手紙〜短いメッセージに込められたもの〜

公開日
2017/07/10
更新日
2017/07/10

お知らせ

 今朝の児童朝会、筒井校長先生のお話です。

「一筆啓上、火の用心、おせん泣かすな、馬肥やせ」
これは、戦国時代の武将、本多重次が、長篠の合戦に出ているときに、越前(現在の福井県)の丸岡城というお城を守っている妻にあてて送った手紙です。これは、「日本一短い手紙」として後世に伝えられています。
 留守の間に城が攻められないか心配だ、自分は戦の最中で長い手紙など書いておられない、ちょっと書くぞ、という気持ちが込められた言葉が「一筆啓上」です。「火の用心」は、火事だけでなく、いろいろなことにも用心せよと言っています。「おせん泣かすな」とは、息子のおせんをいじめるなということではなく、将来困って泣くことのないように厳しく育ててくれ、という意味です。次の「馬肥やせ」は、留守の間に攻め込まれても戦えるように、馬の手入れをし、戦の稽古をして体も鍛えておけという意味です。
 この短い手紙には、戦国武将の気持ちが込められています。今では、この丸岡城で毎年、日本一短い手紙のコンクールが行われています。これまでに入選したものの中から、子どもが送った手紙を紹介します。

 ○「かぶと虫」へ  
  だいじにしてたけどしんじゃった。ぼくのせい?
  だからほかのかぶと虫をにがしたよ

 ○「おとうさん」へ 
  なんでゆめの中におとうさんがいないんだろう。
  ゆめの中で、かた車してほしいなあ。

 ○「10年先の未来のりんへ」(生まれたばかりの妹への手紙です。)
  りんは10才、オレは21才、おっちゃんになっている
  いっぱいおもちゃ買ってやる

 ○「ありがとう、大好きなクラスメイトへ」
  学校のうたのテスト。みんなが私の前で口パクしてくれる。
  耳のきこえない私のために。

 手紙は、渡す相手のことを一生懸命考えています。それを短い言葉で書いているので、心に響いてくるものがありますね。
 クラスの友だちやおうちの人、近所の人などと話をするとき、相手のことを少し考えてみるのもいいかなと思います。さっきの短い手紙にあるような、少しちがった見方ができたり、優しい気持ちでまわりを見ることができたりすると思います。

 あと少しで一学期が終わります。健康に気をつけ、一学期に学んだことのまとめをしてください。

 ※丸岡城(福井県坂井市)の近くに、平成27年の夏に「一筆啓上日本一短い手紙の館」がオープンしたそうです。