今日の一言 5月8日 校園長研修会(1) その2
- 公開日
- 2015/05/08
- 更新日
- 2015/05/08
校長雑感 一隅を照らす
児童虐待、DV,暴力の根っこにあるものとは
〜男女共同参画視点から考える〜
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https://swa.city-osaka.ed.jp/weblog/system/message_view.php?id=e591242&column_id=173859
4月24日の続きです。
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講演者
戎 多麻枝氏(えびす たまえ)
H22−H26 大阪市立男女共同参画センター
キャリアカウンセリング(女性のための)なんでも相談
現:キャリア・ワーク&ライフコンサルタント
NPO法人チルドレン
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氏は、DVの事態を通して、予防教育の必要性を強調しています。
講演に使用されたパワーポイントから抜粋します。
【DVとは、力で支配する不平等な関係】
身体的な暴力・・殴る、ける、引きずりまわす、物を投げつけるなど
精神的な暴力・・恐怖感、威圧感を与える態度、暴言、脅し、罵る、
監視、束縛、監禁、交友関係や行動の束縛
経済的暴力・・生活費を出さない、働きに行かせない、借金をさせる
性的な暴力・・性行為を強要する、避妊に協力しない
【子ども虐待とDV 構造が同じ】
・親子・夫婦間の力関係の中で、「愛」「しつけ」の
名のもとで行われる暴力
・「あなたのため」と「所有」「支配」「過度な管理」「束縛」を
≪愛情≫だと教え込ませる・信じ込む
・「束縛」「支配」されることの方が、≪愛≫だと誤認しやすく、
その呪縛から逃げにくくなる
【暴力について 男子は女子よりも暴力を肯定する傾向がある】
【暴力は連鎖する。相手への暴力⇒自分への暴力⇒弱者への暴力】
悲しみやつらさが、怒りや暴力へ。
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【予防教育の必要性 その1】
・DVは犯罪であることを知らせる
・DVの実態を知ることで将来の暴力の被害者・加害者に
ならない選択ができる
・多くの生徒がDVの知識を持つことで被害者を支援できる
・相談機関があること、いつでも相談できるという情報周知
クレオ大阪など
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http://www.creo-osaka.or.jp/
【予防教育の必要性 その2】
=学びの機会として=
・身近な問題であることに気付く
・相手や自分を大切にすることを伝える
・相手にNO!と言ってもいいことを伝える
【予防教育の必要性 その3】
=子どもから相談をうけたとき=
・相談してくれたことに感謝
・許可なく他へ話さないなど秘密を守ることを伝える
・さえぎらずに十分話を聞く
・安全確認をする
・必要に応じて組織としての対応を考える、抱え込まない
【最後に】
=人と人のよりよい関係を作るために=
・気持ちを言葉にして伝えることを習慣に
・いやなことにNOといえるように
・非暴力の環境づくり
・見張るのではなく、見守る
・多様な価値観から、自分で選んで、
結果を引き受ける力を育てる
≪成長に必要なエンパワーメント=ありのままの存在意識≫
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講演の中で、教師と子どもの間で≪力による支配関係≫になっていないか、学校は気を付けなければならない・・・という指摘がありました。
この点について、私たちは日々省みなければならないと強く思います。
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しかし一方で民間人校長として、学校の現場で感じるのは、
ある意味で、現在の社会においては、地域と学校、保護者と先生の間で
≪力による支配関係≫が生じているのではないか・・・・
ということです。
≪対等≫であり≪束縛のない≫関係であること。
この観点で、もう一度「学校」と「学校を取り巻く環境」を見直してみよう・・・
考えさせられた講演でした。