学校日記

今日の一言 7月29日 月と六ペンス その2

公開日
2016/07/29
更新日
2016/07/29

校長雑感 一隅を照らす

月と六ペンスの中に出てくる二人の偉才。

一人は、天才的な画家。創作することにかけては天分の才を持ち、芸術のために一切の世間的な価値観を無視します。彼の悪魔的な魅力の前に、凡人たちの精神は麻痺してしまいます。世間的には、彼を一言でいうと「人でなし」という表現がぴったりかも知れません。作品の終盤で自らの最高傑作を焼き尽くすシーンに、彼の生き様が凝縮されます。

もう一人は、美・芸術を理解する才能をもった凡人です。彼は絵を描くことに巧みですが、芸術までに到達できません。彼はだれよりもそのことを知っています。目の前に出現した天才。この天才が偉業を為すために、彼は、自分自身や自分の最愛のものまでをこの天才にささげます、そして一切の後悔をしません。創造に対しては凡人、審美眼では天才という悲劇の人物です。

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前者が、ストリックランド。
後者が、ストルーヴ。

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皆さんは、どちらの人物になりたいですか?

ところで、この物語にはもう一人、興味深い登場人物がいます・・・・・・