学校日記

「釜石の奇跡」って聞いたことがありますか?

公開日
2014/09/05
更新日
2014/09/05

豊里トピックス



2011年3月11日、東北地方を襲った未曾有の大地震。その後、発生した超巨大津波は16,000人ともいわれる多くの尊い命を奪いました。


そんな中で注目を浴びたのが、岩手県釜石市。
釜石市内の全小中学校の児童・生徒約3,000人が即座に避難、生存率99,8%という素晴らしい成果をあげたのです。


釜石がある三陸地方には、津波対策のための古い言い伝えがあります。

それは、『津波てんでんこ』   
     「津波が来たら、みんなてんでばらばらに逃げなさい」という教えです。

一見、なんて利己主義なと思われるかもしれませんが、家族の絆が仇となり一家全滅・地域の全滅となった悲しい過去を教訓をもとにした苦渋に満ちた教訓です。



釜石市では、この『津波てんでんこ』をもとに子ども達に徹底した防災訓練を行っていました。
  1.想定にとらわれない。⇒自然は簡単に想定を超える。逃げろ。
  2.状況下において最善を尽くす。⇒安易な判断より、最善の逃げ。
  3.率先避難者たれ。⇒まず自分の命を守ることに専念。

「うちの子は絶対に逃げている」という親の子に対する信頼、「とにかく逃げよう。後からきっと親が迎えに来てくれる」という子の親に対する信頼があれば、家族全員を守ることができるというのです。

それは、自己中心的な考えとは全く違うものかもしれません。


                        (学校長)