からだことば
- 公開日
- 2013/09/30
- 更新日
- 2015/07/07
校長室から
立川昭二さんの著書に「からだことば」という本があります。
「からだことば」というのは、「手」や「目」などからだの部位の入った言葉のことです。例えば、「目的」や「面目」、「手法」「相手」、「手を抜く」というのもからだ言葉のひとつです。このからだことばが、最近消えつつあるというのです。つまり、私たちが自分のからだを意識しなくなった、ということです。
例えば、「腹が立つ」という言葉があります。「堪忍袋の緒が切れる」とか「はらわたが煮えくりかえる」などという表現もあります。この気持ちは、怒りをいったん腹に納めて、「ああでもない、こうでもない」と落ち着くのをまっていた、それでも収まらないときに「腹がたった」と感じました。
しかし、今「腹が立つ」気持ちは、「頭にくる」とか、「むかつく」「切れる」という表現に代わりつつあります。「頭にくる」のは、まだ自分自身痛みを感じるのですが、「きれる」となると、自分から離れたところ、コントロールの聞かないところで感情を爆発させてしまうことになります。
このように、「からだと心が離れているのが、現在ではないか。」そう立川さんは述べられています。
自分の気持ちをしっかり受け止めさせ、表現させるために、私たちは「からだ」のありようを忘れてはいけません。
子どもたちにも、からだの中心で心の動きを感じさせたいものだと思います。