学校日記

1月号

公開日
2019/01/08
更新日
2019/01/08

校長室から

    新年 あけましておめでとうございます!
新年をご家族お揃いで穏やかにお迎えられたこととお慶び申しあげます。旧年中は、保護者・地域の皆様にさまざまなご支援・ご協力を賜りありがとうございました。
さて、平成31年という新年を迎え、子ども達には新たな目標をもって頑張ってほしいと思っています。職員一同、今年も子ども達の健やかな成長のために力を尽くしてまいりたいと考えております。本年も育和小学校の教育活動の推進にご理解、ご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
石川啄木が元日に詠んだ「何となく 今年はよい事あるごとし 元日の朝 晴れて風なし」という短歌がありますが、この歌のように何かよいことが起きるような明るい年になれば、と思っています。育和小学校の子どもたち、ご家族、そして、地域の皆様にとって今年1年間が幸多いものとなることをお祈りいたします。
学力アップする?子どもの「メタ認知力」を高める5つの方法
自分を客観視する能力は、学習能力を高めたり、社会へ出て仕事をしたりする際に非常に重要なスキルの一つです。自分自身を客観的に認知するこの能力を「メタ認知」と言いますが、この「メタ認知」は、ジョン・H・フラベルというアメリカの心理学者が定義した概念で、もともとは心理学で使われていた用語でした。
しかし、最近になって、教育関係や人材育成、経営などの業界で重要な能力の一つとして注目されるようになってきました。メタ認知力は自分の中のもう一人の自分が、自分の行動や思考を客観的に把握して、自分のことをコントロールする力と言えます。簡単に言えば、自分は「何ができて、何ができないか」「何を知っていて、何を知っていないのか」を理解する力のことです。ある大学の教育心理学の先生によると、メタ認知力は才能ではなくスキルであり、訓練によって鍛えられるとして、子どもの「5つのメタ認知力アップ法」を提唱していますので紹介します。

・「今日、授業でやったことをひとつだけ教えて?」と子どもに質問しましょう。(学習したことを自分の言葉で言ってみることは、メタ認知力の向上に有効です。)
・会話の中に出てきたものに対して、「どうしてそうなるのかなあ?」と子どもに聞いてみましょう。(正解でなくても、自分で思考する習慣をつけることが重要です。)
・漢字や地名など「これって何?」と子どもに聞かれても、安易に教えないで「どうやって調べてみようか?」と、まず調べる方法を考えさせましょう。
・勉強方法などを聞かれたら、「自分でやりなさい。」と突き放さず、はじめの勉強の仕方だけでも一緒に考えてあげましょう。
・テスト結果や間違いを指摘するのではなく、「どうすればミスしなくなるか?」を考える方向に導きましょう。(テストなどの結果ではなく、学習のプロセスに寄り添うことこそ、子どもの「メタ認知力」を高め、子どもたちを自立した学習者へと育てていくのです。)

 特別なことではありません。子どもとのコミュニケーションをとる時に、ちょっと意識すると良いのだそうです。このことは、学校における授業においても言えることです。「どのような考え方で問題を解いたのか?」、「なぜ正解できたのか?」、「なぜ正解できなかったのか?」等を考えたり、問題解決のプロセスにおいて、自分の学習方法について子ども自身が振り返ったりすることにより、学習を行う上での自分の強みや弱みを把握することができます。課題発見・解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習が、次期学習指導要領で言われている「主体的・対話的で深い学び」となるのです。子どもたちにとっても、「受動的に教えられる」から、「能動的に考える」へ、学習スタイルが転換すること意味します。そのため、自分の学習状況を客観的に把握できる「メタ認知」が獲得できて初めて、子どもたちの能動的な学び、アクティブ・ラーニングにつながると言われているのです。
今年も、教職員一同、授業改善に努め、子どもたちの確かな学力の向上に力を尽くしていく所存です。保護者、地域の方々のますますのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
         校長 安 藤  直