学校日記

今日の一言 5月1日 抜き書き7 詩人の恋

公開日
2020/05/01
更新日
2020/05/01

校長雑感 一隅を照らす

(写真上:ドイツ観光局HPより)

「この演奏凄いから、聴いて!」

東京の大学に入学して、はじめての5月。

友人の住む学生寮(石神井寮)の部屋は、四畳半。
シェアハウスのような作りの6人部屋の中のひとつ。
その部屋で、聴かせてくれた曲。

若くして交通事故で亡くなった天才テノール歌手
フリッツ・ヴンダーリヒが歌う
「詩人の恋」
作曲:ロベルト・シューマン
  (Robert Schumann 1810‒1856) 
作詞:ハインリッヒ・ハイネ
  (Heinrich Heine 1797‒1856)

***
永い永い冬の寂しさを吹き飛ばすような
≪ドイツの5月≫

国中の街や山が新緑に色づき、花々が咲き誇ります。
あっという間に風景が変わります。
比喩ではありません。

春、日本で暮らす人々が≪桜≫の美しさに、毎年驚くように、この国の人たちは、≪5月≫に、感情を揺さぶられます。

人々の心にが訪れます。ハイネ、シューマンの時代もそうだったに違いありません。

***

5月、青年が恋に落ちます。愛の喜びを謳い、失恋の悲しみに狂い、苦しみます。

全16曲、その第1曲目が「美しき五月に」です。

・・・

5月になると、譜面を引っ張り出してきて、この曲をピアノで弾く。40年間、同じ5月が、また やってきました。

・・・

「詩人の恋より」(ハインリッヒ ハイネ)
1. 美しき五月
美しい五月
すべてのつぼみが開くとき
私の 胸にも 愛が
花ひらいた

美しい五月
すべての鳥が 歌うとき
私も 彼女に うちあけた
憧れと 想いを
 
(写真下:「シューマン・詩人の恋」音楽之友社)