学校日記

今日の一言 5月6日 抜き書き12 主権者教育論

公開日
2020/05/06
更新日
2020/05/07

校長雑感 一隅を照らす

「ぜひ一緒に勉強させてもらえないでしょうか」

2020年2月1日、東京・新宿。
とあるホテルのロビーで、
著者の大学の先生と熱く語った
あっという間の6時間でした。


***

主権者とは・・

公的な問題について目を背けることない市民

強者の語りの陰に消された弱者の存在に配慮できる市民

専門家の意見に耳を傾けるが決してそれを盲目的に受け入れるのではなく自らの五感でそれを確かめ最終判断を下せる市民

誤りがあれば素直に受け入れ反省できる市民

多様性を認めつつ討論をいとわない市民

異見を持つ者と積極的に対話しようとする市民

権力や制度の必要性と問題点を理解している市民

科学・中立・客観といった思考停止を招きやすい言葉に敏感な市民

必要ならば行動をとる勇気のある市民・・・・と、

まだまだあるがこうした市民のことである。

専門家がつくった学習指導要領や教科書を頼っていれば大丈夫だと疑いもなく信じている教師や、学会の権威者の学説を信じるべき正しき事実であると伝えることが自らの仕事だと思い込んでいる教師、教育のあるべき姿について考えたり議論したりしない教師、生徒の必要に配慮できず(彼らの声に耳を傾けず)に自らの正義ややりたいことを押し付けてしまう教師は、こうした市民とは対局の存在である。

学校は、
一般的にはあまり民主的ではない外部社会以上に非民主的な姿勢を教える空間にもなり得るし、

逆に
外部社会の非民主的空間の変革を生み出す拠点としての民主主義の大切さを教えてくれる空間にもなり得る。

学校が後者のような空間になることこそが
「学びからの逃走」
「いじめ」
「学力格差」
その他多くの問題を解決する第一歩ではないかと考えている。

引用:「主権者教育論」渡辺竜也著(春風社) まえがきより