学校日記

今日の一言 3月30日 失われた30年 失われた”誠実”

公開日
2021/03/30
更新日
2021/03/30

校長雑感 一隅を照らす

誠実にして、はじめて禍を福に変えることができる。
術策は役に立たない。
(二宮尊徳)

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1980年代後半から始まった日本経済の低迷期。この期間は「失われた30年」と言われています。私は、1986年に日本を離れ、2014年に帰ってきました。ほぼ同じ期間です。

その間、年に1・2度、出張や休暇で1週間ほどの一時帰国の機会があるだけでした。旅行者みたいなものです。日本の空気感を実感として感じることはできませんでした。

2014年に帰国し、学校で働き始めましたが、何かわからない居心地の悪さを感じ続けていました。今回のコロナ禍での日本での経験で思い当たったことがあります。

それは「失われた30年」で、経済力だけではなく、日本人がもっとも大切にしていた「誠実さ」が失われてしまったのではないかという考えです。

・・・

◯きまりを守ることより、うまくやりすごすこと
◯本当のことを言うより、耳障りのいいことを言うこと
◯自分が信じていることをするより、みんなが何となくやっていることをすること
◯立場の強い人のことには無批判に従い、よく理解していないことをやり続けること
◯見つからなければ、やってはいけないとわかっていることをしてしまうこと
◯自分が理解できるまで努力しようとしないこと
◯損得や方便ではなく、本質的な考え方をしようとしないこと

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私も、同じです。「誠実」という言葉自体を忘れ、「誠実である勇気」を持つことを忘れかけていました。

新年度まであと数日・・・
地域の皆さんや保護者の皆さんと一緒になって、子どもたちに「誠実であること」の大切さを理解できるような「学びの場」を作る。
公教育として在る加美小学校の使命なのかもしれません。