学校日記

今日の一言 3月31日 愛おしさ(その2) 令和3年度の終わりに

公開日
2022/03/31
更新日
2022/03/31

校長雑感 一隅を照らす

さらに、若い私に“これだけは伝えておきたい”との思いで、次のような話をされました。

 「教師として大切な事は、三つあると思います。

一つ目は、『一人ひとりの独自性を見極め、尊重すること』です。と言っても、国語が苦手、算数が苦手と子どもは言うけれど、それは独自性ではない。教科の学力をつけるのは教師の責務です。ただ、理解のスピードは人それぞれ違ってきます。それが独自性なのです。富士山に登るルートは四つあるが、その登り方が独自性なんです。どの登り方でも頂上に着くわけです。

二つ目は『子どもへの愛情は具体的な形で現す』ということです。子どもへの愛情といっても単なる精神論だけではだめです。教師の振る舞い、言葉使い、分かりやすい授業など、子ども一人ひとりを伸ばすための愛情が具体的な形で現れなければならないのです。そのためには、子ども一人ひとりの顔を思い浮かべながら、具体的な手立てを考える必要があります。私は、いつも子どもの写真を持っています(今は、個人情報保護の観点からできませんが)。そして、教師自身が常に自己を磨き、研鑽していくことが大切なのです。

三つ目は、『成長し合える仲間をつくる』ということです。今言ったように研鑽をするにしても、一人ではなく、仲間みんなで研鑽し合うことです。また、子どもや保護者対応等、教育現場で悩んだ時に、仲間がいることほど心強いことはありません。この三つを、退職する私から、若い君に贈ります。」

 新任時代の「小さなくつ」と「K先生」との出会いは、私の教員人生の“原点”となりました。山あり谷ありの40年間の教員生活を支えてくれました。