学校日記

今日の一言 7月5日 自然体験学習(6年生)を終えて「成長」って? その3

公開日
2022/07/05
更新日
2022/07/05

校長雑感 一隅を照らす

Sapere aude!
Habe Mut, dich deines eigenen Verstandes zu bedienen!
勇気を持とう!! 君自身の知性を役立てることに!!
(Immanuel Kant:イマヌエル・カント)

カントの「啓蒙とは何か」の冒頭で出てくる、有名な文章です。
大変短い小論です。岩波文庫では、たったの12ページしかありません。卒業アルバムに、校長の贈る言葉としてこの8年間ずっと引用してきました。

6年生にとっては少し難しい内容かもしれませんが、ハリー・ポッターに出てくる魔法の呪文のようで、覚えてくれたらいいなと想い紹介しています。この言葉は、子どもたちだけではなく、私たち大人にも強く響きます。私たちは、何を為すべきか「分かっている」のです。改革しなければいけないこと。変えなくてはいけないこと。変えてはいけないこと。理想の社会や教育。

分かっている!のだと思います。
「本当は〇〇なんだけど、でも、だって・・・」と言い訳して、分かっていることをしないのです。

* * * *

子どもたちは、1年生であっても、実はいろいろなことが分かっています。
少々乱暴に断言すると・・
子どもたちは
 勉強したいのです。
 真面目でいたいのです。
 誰かのお手伝いをしたいのです。
 “あいさつ”も“時間を守ること”も“整理整頓やお掃除”も、何でもできるし、したいのです。

私たち大人、学校の先生は、子どもたちがしたいことをできるようにしてあげればいいのだと思います。できないようにしているのは、大人なのではないかと思います。

大人の私たちも、未成年状態だと・・言っているのがカントです。分かっているのにやらないのは、社会や人のせいにする未成熟な人間のすることであり、やるべきことを果たすことができない未成年だと、言い切ります。

自然体験学習で子どもたちに感じた「成長」。
それは、すでに分かっていることを、自信をもってやろうとした姿勢、未成年状態を抜け出そうとした“Sapere aude”だったのだと思います。