「この子は人前で話しができません。」「どうしたら恥ずかしがらずに話ができるようになるでしょうか？」
２年の子のお母さんが真剣な顔で尋ねてきました。事実、この子は教室で人前に立つと緊張し、赤面して震えてしまい、自分の意見が言えません。
すると担任の先生は身を乗り出し、前に座っていたこの子の肩に大きな手を置き、すっかり上がってしまってうつむいていた彼をニコニコした顔でのぞきこみました。
「大きくなったら、必ずできるようになるよ、心配ないよ！」
彼自身も人前で話せるようになりたいと思っていましたが、将来話せるようになるとは思っていませんでした。それだけに将来きっとできるようになるという暗示は、暗闇から一筋の光芒が差したようでした。彼は俄然やる気になっていました。
「この先生は可能性を引き出させ、生きる力を与える不思議な力をもっていたのです」
この子は、そんな先生に励まされてしゃべれるようになったどころか、とうとう小学校の教師になりました。
（引用：人を育てる道「伝説の教師・徳永康起の生き方」　著・神渡良平　P．166）

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できるようになることを信じて相対し、子どもたちが生来持っている生きる力を引き出す。そんな教師たちのいる学校は、なんてすばらしいのでしょうか。
少しでも理想に近づくように、努力して参ります。
（写真：できないことができるようになった彼を表彰しました。諦めずに頑張ったこの子に拍手！…本文と写真は関係ありません。）