りっぱだな！
忘れ物したことをそんなふうに、
しっかり思うことができるなんて。
その気持ち、大切にしてね。

だいじょうぶ！だいじょうぶ！

担任の先生に、おはなししてごらん。

＊＊＊

いつもの通学路。朝の見守り。

ニコニコしながら子どもに話しかけているお母さん。
でも、その子は泣き顔です。いつもなら一人で登校している子です。

どうしたの？

と子どもに声をかけると、子どもではなくお母さんが答えます。

昨日、出された宿題を学校に置き忘れたので、宿題が出来てなくて、
それで悲しくて、不安で学校に行きたくないと言って泣いている・・と。

わたしは、子どもに向かって話しかけました。

「だいじょうぶ！だいじょうぶ！
　それに、りっぱだよ！
　忘れ物したことをそんなふうに、
　しっかり思うことができるなんて。
　その気持ちを大切にしようね。

　担任の先生に、おはなししてごらん。
　いいよいいよ、これからは気を付けようねって言ってくださるよ。」

・・・

この子にとって、忘れ物をしたことは一大事なんだ。
学校に行けないぐらいに。

ちっちゃなからだが、不安でいっぱいになっているように見えました。

がんばれ！だいじょうぶだよ！
・・そう思いながら、子どもから、ふと目線をあげると、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」という暖かいまなざしで子どもを見つめているお母さんの顔がありました。

だいじょうぶだ！
だいじょうぶだ！
とても嬉しい気持ちになりました。