在ミュンヘン日本国総領事館の中の会議室。
ミュンヘン市内とその近郊に住む邦人、日系企業、日系の関連団体の代表者が顔を揃えています。
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2000年代後半から、ドイツに在る日系団体に奇妙なメールが入り始めていました。
誤字脱字の多い、明らかに翻訳ソフトを使って作られたメールでした。
内容は、ドイツに住む日本人に宛てです。
今で言うなら「ヘイトスピーチ」の類(たぐい)です。
総領事館に相談すると「明らかに愉快犯です。反応すると調子に乗ります。無視しましょう。」と・・・。
おっしゃることは分かりますが、当時数千人いたミュンヘン在住の邦人がその情報を知らなくていいのだろうか?疑問に思ったものです。
しばらくしてから、総領事館から学校に連絡が入ってきました。
(つづく)
在ミュンヘン日本国総領事館(写真)から連絡が入りました。
「ミュンヘン市内とその近郊に住む邦人、日系企業、日系の関連団体の代表の方にお集まりいただきたい。
非常事態(テロや大規模災害など)の際の邦人の安否確認や避難、そして安全確保など諸対応について話し合いたい。」
ミュンヘンの中心部、バイエルン国立歌劇場のすぐ近くにあるビルの中に総領事館はあります。その中の会議室に行きました。
ほとんど知っている人ばかりです。
駐在社員の方たちなど数年で入れ替わる人たちがほとんど。
そんな在外の邦人社会では、私のような20年、30年現地に留まる日本人は限られていて、みんな顔見知りです。
「やーやー、こんにちは!」と言いながら「やっと動きはじめましたね」と、いつもにこやかな表情の皆さんの真剣な目つきに緊張感が走ります。
それから2時間以上に及ぶ長時間、話し合いが続きました。
非常事態の情報展開はどうするか?そもそも非常事態って何?
総領事館から日系企業への連絡方法。企業から駐在家庭へ、学校などへの情報展開。
その後の行動はどうする・・・などなど。
幸い、私がドイツにいた27年間、非常事態は起こりませんでした。
しかし、在外にいるというのは、このように四六時中、緊張に包まれているということなのです。
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「ドイツにいたときには、そんなにも大きな緊張感を感じながら生きていたんだ」
日本・大阪に帰ってきた数日後、あらためて気付かされたことがありました。