学校日記

今日の一言 3月7日 学校で最も大切な活動≪避難訓練≫ その3

公開日
2023/03/07
更新日
2023/03/07

校長雑感 一隅を照らす

「では会場に移動してください。貴重品の入った荷物も置いていってくださって大丈夫です。」

市役所の地下にある会議室。
平成26年1月某日、任期付き校長(いわゆる公募校長)の第2期の合格者12人が集められ、数分後に始まる着任式の事前説明を受けていました。

教育長のあいさつ、担当者から着任式の内容の説明が終わり、いよいよ最上階の着任式の会場へ向かう時間になりました。

「パスポートも、置いて行って大丈夫ですか?」
会場を移動しようとザワザワしかけていた部屋が
私の質問で一瞬静かになりました。

私の身元を証明し、安全を確保するため最も大切なもの、
パスポート(旅券)!
パスポートを携帯することは、27年のドイツ暮らしで、身に着いた習性でした。

ひとたび何か起これば、すぐさま国外(ドイツ)へ脱出しなければいけません。その時に、パスポートは家にあります・・・では、たいへんです。
(在外邦人の全員が外出時にパスポートを携帯しているわけではありません。警察官に身分証明書の提示を求められても、パスポートコピーで十分なのですが・・・)

・・・

えっ!という感じで、仲間になったばかりの校長先生たちが、会議室の一番後ろに座っていた私の方を振り返りました。
私は、日本に帰ってきてから数日しか経っていませんでした。
財布の中には、いつものようにパスポートが入っていました。

そうだ!ここは日本だ。
国外に脱出する必要はないんだ。
自分が何者か主張する必要はないんだ!!
何かあったら、みんなと一緒に日本を守るんだ。

大きな安堵感と帰国した喜びを感じ多瞬間でした。

・・・

今日もパスポートは、財布の中にあります。(写真)

家族が未だドイツにいるからかもしれません、
いつ何時、彼の地へ飛んでいかなければいけないと
どこかで思っているからかもしれません。

でも一番大きな理由は、体に染み込んだ【危機意識】が抜けないからなのだと思います。

みなさんが肌身離さず持ち歩いているものは何ですか?