“自分たち”の国なのに・・・
- 公開日
- 2025/12/12
- 更新日
- 2025/12/12
お知らせ
12/12(金) 6年 社会
イギリス船籍の貨物船“ノルマントン号”が沈没した際、イギリス人船長をはじめ、イギリス人乗り組み員は、日本人乗客の命を軽視したような形になってしまいました。そしてイギリス人は、それほど強くは裁かれなかった。
日英両国にとって、とても不幸な歴史。ただこの歴史から、我々は何かを学ばないといけない。
子どもたちは船の沈没ということで、映画「タイタニック」を思い浮かべたようです(あの映画では、乗り組み員は乗客の命を自分たちの命よりも優先していましたね)。
「タイタニックでは船長が助けてくれてたよね」という先生の話にみんな頷き、ノルマントン号事件については、「それってめちゃくちゃ!」「差別やん」というつぶやきが子どもたちから出ました。本当にその通り、自分もそう思います。
そして授業は、「ではそもそもなぜ、こんな状況に陥ってしまったのか?」ということへと自然と向いていきましたが、そうです、不平等条約の締結、具体的には「(外国の)領事裁判権(治外法権)が“ある”」「関税自主権が“ない”」ということが原因となっている。「こんなルールなら何をされてもなんも言われへんやん!」「こんな条約があったらめっちゃ暮らしにくいやん」という意見にこちらも大いに頷くとともに、“知る”ということがどれだけ大切なことなのかと、子どもたちの姿を見ながら考えさせられました。
「関税“自”“主”“権”が“ない”」→本来なら、“自”分の国のことは“自”分たちが“主”役だという“権”利はもちろんあるはず、でもその権利が“ない”。
ヨーロッパとの国力の差がそのような状況をもたらしたわけですが、それはおかしい。国力の差なんかで“自分たちの権利”がないがしろにされていいわけがない。
この後歴史は、不平等条約撤廃へと進みますが(陸奥宗光・小村寿太郎の活躍)、「そのために日本が取った作戦は何?」→「ダンスを踊ること!(鹿鳴館政策)」という先生のユーモアも楽しみながら、子どもたちはたくさんのことを感じた様子です。
学校・クラスは社会の縮図です。子どもたちには、今日の学びを活かして原点を振り返り(「自分たちの学校・クラスを“つくる”主役は自分たち」)、「どう行動すれば素敵な毎日を過ごせるのか?」ということを考えてほしい、そんなことにまで想いを馳せることのできる素晴らしい授業でした。